Chapter4:「たかたのゆめ」のこれから

Chapter4:これから

JTが寄贈した「いわた13号」は、陸前高田市のオリジナルブランド米「たかたのゆめ」として生まれ変わり、関連イベントは多くのメディアにも取り上げられました。しかし、この取り組みは一時的なものではなく、長期的な復興支援を目的としています。

稲の順調な生育に喜び

陸前高田市で行われた収穫の様子。

陸前高田市で行われた収穫の様子。
 

黄金色の稲穂を垂れる「たかたのゆめ」。

黄金色の稲穂を垂れる「たかたのゆめ」。

東京の「モリトラストガーデントラヨン」の「森虎農園(モリトラファーム)」で行われた稲刈りイベントに先立ち、2013年10月、陸前高田市で12軒の農家が「たかたのゆめ」の稲刈りを行いました。
2012年に原種栽培農家として唯一収穫を行った金野さんは、「毎年栽培していけば、肥料の分量も分かってくるし、被災田も年々改良されて、米が取れるようになっていく。市の作付面積の目標である100ヘクタールに早く届いてほしい」と語ります。ご主人が亡くなり耕作農業をやめていたものの、残された農地での栽培を金野さんに託された新沼さんは、その喜びを「まっすぐに伸びるたくましい稲でした。新しい米を作っていただいて、本当に涙が出るほどうれしいです」と話してくれました。

もちろん、陸前高田市も全面的に農家の方々をバックアップしています。戸羽市長は「『たかたのゆめ』が地域ブランド米として陸前高田の農家の夢となるよう、しっかりサポートしていきたい。どのように付加価値を付けていくか、アイデアを出して戦略を練っていきます」と、意気込みを語りました。

陸前高田市から全国、そして世界へ

2013年、「たかたのゆめ」は最終的に約28トンが収穫され、JTをはじめ、愛知県の「あいち生活協同組合」や伊藤忠商事株式会社などが購入し、ヤフー株式会社でもインターネット販売を展開。全て買い取り先が決まりました。
150トンの収穫を目指した2014年は260トンの収穫を達成。一般販売のほか、米粉パスタ、米菓などにも使われる予定。将来的には、コンビニエンスストアでの地域限定食品や東京駅の駅弁、羽田空港での空弁としての販売に加え、首都圏の有名レストラン、海外の日本食レストランでの提供、さらには化粧品、せっけん、清涼飲料水といった商品開発も視野に入れています。

忘れ去られかけていた「1%の種」は宝でした。その宝は復興を願う多くの人々の夢となり、「たかたのゆめ」として世界に羽ばたこうとしています。

「たかたのゆめ」の成長に喜びの笑顔を見せる新沼さん。

「たかたのゆめ」の成長に喜びの笑顔を見せる新沼さん。

多くの人の夢を乗せ、一般販売へ。

多くの人の夢を乗せ、一般販売へ。

「たかたのゆめ」誕生ストーリー