Chapter3:東京から全国へと情報発信
「いわた13号」のブランド名が「たかたのゆめ」に決定すると、陸前高田市だけではなく、東京でもさまざまな広報活動が行われました。東京・虎ノ門で開催された田植え&稲刈りのイベントには、陸前高田市の戸羽市長や協力会社の方々をはじめ多数の関係者が参加し、東京発の活動を支えました。
JT寄贈米を「たかたのゆめ」と命名
「いわた13号」は2012年11月、都内で開催された「陸前高田米プロジェクト ブランド名発表会 食味会」において、全国公募により「たかたのゆめ」と命名。“もっちりとした食感”と“つややかな見た目”は、食味会でも大好評を博します。
2013年4月には「たかたのゆめ」の権利をJTから陸前高田市に寄贈。6月から始まった作付けでは、生産農家も12軒に増加しました。さらに都内からも情報を発信するため、期間限定のアウトドアパーク「モリトラストガーデントラヨン」(東京・虎ノ門)の貸し菜園「森虎農園(モリトラファーム)」で田植えと稲刈りのイベントが行われました。
「たかたのゆめ」を日本の夢に
「たかたのゆめ」は、多くのボランティアスタッフに囲まれています。中には、稲の研究に関わっていたスタッフもおり、毎日、勤務前に農園に足を運び、自主的に田んぼの整備にあたったり、発生した害虫を駆除したり、スズメから稲を守るためにネットを張ったりと、田んぼ作りの経験がない森虎農園のスタッフをサポート。このように、多くの関係者の力添えもあり、田植えから稲刈りまでの4カ月間にわたって、都内初の「たかたのゆめ」の栽培は成功します。
また、複数の企業に協力いただくことで実現したこの活動は、外部から多くの問い合わせが寄せられるようになります。それと同時に、反響の大きさに応えるために、「たかたのゆめ」の今後のブランド育成が何よりも大切になっていきました。しっかりとブランドを確立し、協力企業の事業展開につなぐことができれば、そのとき初めて支援活動が一つの形を成してきます。
稲刈りのイベントの当日、戸羽市長から感謝状を手渡された、JT執行役員の永田は「この『たかたのゆめ』が日本の夢になっていくよう、JTとして支援を続けていきたい」と、力強く語りました。