Scientific Product Assessment
製品評価
たばこ製品の信頼性担保とリスク低減に関わる評価研究
お客様に科学的な評価が実施されているということを知っていただいたうえでたばこ製品を愉しんでいただくため、JT R&Dグループでは味・香り、ユーザビリティに関する研究の他、化学分析や生物学的評価、データサイエンスを用いて、たばこ製品の信頼性に関わる評価やリスク低減に関わる評価研究も行っています。また、既存の分析・評価手法を運用するだけではなく、より精度が高くより短時間で試験できるよう新しい手法の開発にも取り組んでいます。
科学知見の社外コミュニケーション
JTグループは、たばこ製品に関する科学的な情報が共有されるオープンな環境づくりに取り組んでいます。専門的な内容を分かりやすく、お客様、研究者、たばこ規制に取り組む担当者の方々など社外にお伝えすることも「製品評価」が担う重要な役割のひとつです。その一環として、JT R&Dグループで展開している研究開発活動の内容や研究データを科学コミュニケーションサイトJT SCIENCE、CLUB JT、プレスリリース など、を通して公開しています。
たばこ製品分析に関わる国際規格の準拠・制定
たばこ製品は広く世界中に流通している製品であるため、規格の制定に関する国際的な枠組みを制定している機関があります。例えば、ISO(International Organization for Standardization)やCORESTA(Cooperation Centre for Scientific Research Relative to Tobacco)が該当します。JTグループのたばこ製品と取得したデータの信頼性を担保するため、「製品評価」では国際規格の準拠に努めています。また、たばこに関連した国際機関の学術的会合等に積極的に参加し研究成果の発表や新規分析法の提案するともに、新たな国際規格の制定に貢献するなど、対外的な活動も積極的に行っています。
たばこ製品の化学分析
製品の開発方向性検討や、お客様コミュニケーションに用いるため、紙巻たばこの煙やRRP*のたばこベイパー、製品使用時の室内空気環境、材料品など製品を構成する素材の化学分析を行っています。近年は、加熱式たばこなど新しいスタイルのたばこ製品が登場し、非常に微量な成分を安定的に分析する必要があり、各種クロマトグラフィー(GC-MS, LC-MS/MS, LC-QTOF)、ICP-MS、FT-IR、NMR、XRDなどさまざまな分析機器と高い分析技術力で貢献しています。
たばこ製品の生物学的評価
紙巻たばこの煙には6000種類以上の成分が含まれることが報告されており、そのうちいくつかはWHO(世界保健機関)などの機関から、健康への影響が懸念される物質に指定されています。JT R&Dグループでは、紙巻たばこが生体に与える影響やRRP*のリスク低減可能性を科学的に評価するため、医薬品や食品に対して従来から用いられている毒性評価に加え、先端の科学技術を用いたin vitro毒性試験*や計算毒性学などの研究にも取り組んでいます。また、研究成果をまとめた学術論文の投稿や認定トキシコロジストの取得など毒性学のエキスパート育成にも力を入れています。
*Reduced-Risk Products:喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品
*in vitro毒性試験:試験管や培養器などの中でヒトや動物の組織を用いて、体内と同様の環境を人工的に作り、毒性を評価する試験のこと。
研究テーマ事例
- 化学的・生物学的手法を用いたたばこ製品リスク低減の評価研究
- たばこ製品使用時の室内空気環境分析
- 気管支3D培養モデルの開発
- 生体機能チップ(Organ-on-a-Chip )を用いたリスク評価モデルの開発
- 計算毒性学に基づくin silico毒性予測モデルの開発