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かつて、ひと目惚れしあった仲のお富と与三郎の恋を描いた作品です。生き別れになった2人が、3年後の鎌倉で再会。与三郎は、気持ちを落ち着かせようと、店の傍らにおいてあったキセルに火をつけます。そして、今となっては囲われ者となったお富をなじる与三郎。お富への愛情が募るばかりに、なじり続ける与三郎の片手に握られたキセルからは、ただただ紫煙がたゆとうばかり。この見せ場である、お富と与三郎の再会の場面では、男女の葛藤の想いが交差する会話の間(ま)を、キセルを吸う仕種が絶妙に演出しています。 |
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たばこ盆
江戸時代、屋内でたばこを楽しむときにかかせないのが、たばこに火をつける炭が入った「火入れ」や灰を入れる「灰落とし」などを備えたたばこ盆でした。その時々の時代背景を取り入れた歌舞伎の中には、重要な小道具として頻繁に登場します。
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