歌舞伎の中のたばこ

歌舞伎の中のたばこ Kabuki
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歌舞伎の中のたばこ Kabuki
たばこが登場する代表的な歌舞伎 I / たばこが登場する代表的な歌舞伎 II

たばこが登場する代表的な歌舞伎 II
たばこが登場する代表的な歌舞伎
たばこが登場する代表的な歌舞伎
『黒船出入湊(くろふねでいりのみなと)』

大坂(現在の大阪)で起こった、侠客連中のもめ事を脚色した作品。たばこ屋が舞台となる一幕があり、西村重信(にしむらしげのぶ)によって浮世絵にも描かれています。店先には“たばこ”とかかれたのれんがかかり、葉たばこの産地名が書かれた箱が床に置かれ、当時のたばこ屋を再現。実際には、江戸時代のたばこ屋は、店先で葉を刻んで売っていましたが、芝居の中では、連看板と木箱を2、3個並べてたばこ屋を表すようです。

歌舞伎にかかせない小道具のたばこ4

たばこ屋
歌舞伎の中には、たばこ屋が舞台となることも。写真は、東京都渋谷区にある『たばこと塩の博物館』に展示されている、江戸時代中期の京都の島原界隈にあったたばこ屋を復元したジオラマです。
たばこ屋

『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』

かつて、ひと目惚れしあった仲のお富と与三郎の恋を描いた作品です。生き別れになった2人が、3年後の鎌倉で再会。与三郎は、気持ちを落ち着かせようと、店の傍らにおいてあったキセルに火をつけます。そして、今となっては囲われ者となったお富をなじる与三郎。お富への愛情が募るばかりに、なじり続ける与三郎の片手に握られたキセルからは、ただただ紫煙がたゆとうばかり。この見せ場である、お富と与三郎の再会の場面では、男女の葛藤の想いが交差する会話の間(ま)を、キセルを吸う仕種が絶妙に演出しています。


歌舞伎にかかせない小道具のたばこ5

たばこ盆
江戸時代、屋内でたばこを楽しむときにかかせないのが、たばこに火をつける炭が入った「火入れ」や灰を入れる「灰落とし」などを備えたたばこ盆でした。その時々の時代背景を取り入れた歌舞伎の中には、重要な小道具として頻繁に登場します。
たばこ盆
たばこ盆
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