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歌舞伎が庶民の最大の娯楽として定着した江戸時代、時を同じくしてたばこも、人々の生活にすっかり定着していました。その時々の世相を題材にした歌舞伎の中には、たばこが重要な小道具として頻繁に登場します。中でも、歌舞伎の決めポーズである見得を切るシーンで頻繁に用いられているのがキセル。その他にも、役者が間合いを取るための一服、身振り・仕草や台詞の節目の合図はもちろん、登場人物のキャラクターや心理状態をキセルさばきひとつで表現しています。
また、当時のたばこ屋の様子や、生活の中でたばこ盆やたばこ入れなどがどのように用いられていたのかを垣間見ることもできます。 |