キセル
概要
刻んだたばこ葉を火皿に詰めて、吸い口から喫煙します。日本では紙巻たばこが主流になる前は、もっとも一般的な喫煙方法でした。
発祥
日本や中国、朝鮮半島など東アジア地域で親しまれ、日本では江戸時代からキセルでの喫煙が広がりました。喫煙が文化的な嗜みとして幅広い身分に広まるとともに、さまざまな形状のキセルが生み出され、蒔絵や彫金などの装飾が施されたものもありました。
構造
先端に火皿がついた「雁首」、たばこの煙を通す「羅宇」、煙を吸う「吸い口」の3つから構成されます。火皿と吸い口を金属などで作り、羅宇に竹や木などを用いた「羅宇キセル」と、すべてを金属で作った「延べキセル」の2種類に分けられます。
愉しみ方
「粋」なアイテムとしてのこだわりを愉しむ
江戸時代、キセルは持つ人の個性を映し出すアイテムでした。キセルを持ち運ぶ「たばこ入れ」にもさまざまなものがあり、人々の”マイキセル”へのこだわりは強かったようです。現在でも日本の「粋」な文化を象徴するアイテムとして、根強い愛好家がいます。
日本独特の「細刻み」
キセルに詰めるたばこ葉には、「細刻み」という髪の毛ほどの細さに刻まれたものが用いられていました。その吸い味はマイルドで、軽い味わいが特徴的です。細刻みたばこは日本特有のもので、細く刻むために、乾燥させた葉の皺を広げるという独自の工程や、切れ味のよい包丁による刻みの技術が生まれました。
キセルの歴史・エピソード
キセルに関する歴史・エピソードを紹介します。