|
|
|
|
|
|
巧みな遠近法を駆使して風景を描いた、「風景画」。大家としては、葛飾北斎(かつしかほくさい)と歌川広重(うたがわひろしげ)が有名です。名所や史跡などの風景そのものを描いたもの、当時の旅の様子を描いたものなど種類もさまざま。
当初は、地方から江戸へ遊びに来た人々がお土産に買って帰るために、江戸の名所を描いた浮世絵(名所絵)が主流でした。その後、東海道や木曽街道など日本各地の名所を描いものも多数誕生。旅人が旅先で遭遇した出来事などが、旅情感たっぷりに描かれています。
当時の人々は、現代ほど気軽に旅へ出かけることができなかったため、「風景画」から空想の旅を思い描いていたのかもしれません。 |
|
|
|
腰元に“たばこ入れ”をぶら下げ、キセルを差しているのが、江戸時代の旅人のスタイルだったようです。当時の人々にとって、たばこは旅の大切な相棒。しかし、現代のようにライターやマッチが発達していなかった当時、旅先で一服するのはなかなか至難の業だったとか。街道にある焚き火で火をつけたり、旅先で知り合った者同士、火の貸し借りをしている様子が描かれています。
また、旅先で立ち寄った茶屋や美しい風景を目の前に、愛用のキセルでほっとひと息ついているシーンも「風景画」にはつきものと言えるでしょう。 |
|