全国に広がる「JTの森」JTの森 小菅(山梨県)
水を育む水源の森を混交林に
「JTの森 小菅(こすげ)」は、東京都への水道水源林の一角にあたり、多摩川水系、相模川水系の分水嶺(ぶんすいれい)に位置しています。
そこで、「JTの森 小菅」ではスギ・ヒノキ・カラマツといった針葉樹を伐採し、コナラ・ミズナラ・モミジといった広葉樹を植栽。針葉樹と広葉樹がともに育つ「混交林づくり」に取り組むことで、水源の森としての水源かん養機能を高めることを目指しています。
活動の概要
場所 | 山梨県北都留郡小菅村 |
面積 | 約13ヘクタール |
活動期間 | 20年間
2006年3月-2011年3月(1期) 2011年3月-2016年3月(2期) 2016年3月-2019年3月(3期) 2019年4月-2024年3月(4期) 2024年4月-2026年3月(5期) |
整備目的 | 水源林の混交林化と環境教育の拠点づくり |
主な整備 | 下草刈り、ツル切り、鳥獣防除柵設置、環境教育のフィールドづくりなど |
苗木を動物から守る
「JTの森 小菅」では、シカなどの動物の食害から苗木を守る“ウッドガード”を使用しています。ウッドガードには、微生物によって分解される生分解性プラスチック製や樹脂製のものがあります。植栽した苗木一本一本にウッドガードを取り付け、木が大きく生長するのを待ちます。
小菅で始まる新しい試み
針広混交複層林にはさまざまなタイプがあり、森づくりの方法も異なります。小菅の協定地内をゾーンに分けて、目的とする森林の機能に合わせた混交林づくりに取り組んでいます。その1つとして東京農業大学の指導のもと群状間伐に取り組んでいます。群状間伐とは、局所的に間伐し、森に適度に光を取り入れて木々を育成することです。「JTの森 小菅」の1期目に1カ所あたり20メートル四方の針葉樹を間伐し、そこに広葉樹を植えました。
もう1つは列状間伐で、帯状に針葉樹を伐った跡地に広葉樹を植え付けています。
また、必要な分だけ針葉樹を抜き伐りした後、自然に出てくる芽生えを育てたり、広葉樹を植える方法でも森づくりに取り組んでいます。これらの混交林が成立するのは50年も先のこと。森と人の暮らしが両立できるよう、気の長い森づくりに取り組んでいます。