プロダクトスチュワードシップ、資源循環、廃棄

JTグループでは、製品および容器包装の面からもサステナビリティ向上に継続的に取り組んでおり、2022年には、プロダクトスチュワードシップ(製品のライフサイクルを通じた責任ある環境保全)、資源循環、廃棄に重点を置いた新しいサステナビリティガバナンスモデルを導入しました。これは、JTグループの製品と容器包装の安全性、環境負荷、社会的影響を、製品ライフサイクルの各段階において管理することを目指すもので、製品の循環性確立による廃棄物の発生抑制や、効果的な廃棄物管理システムの運用による廃棄物削減などに取り組んでいます。

事業におけるプラスチックを含む容器包装材の使用量を削減するとともに、2025 年までに88%、2030 年までに100%を再使用または再生利用可能な容器包装材にすることを目指しています。たばこ事業においては、2025年までに85%、2030年までに100%を再生利用可能な容器包装材にします。
また、2025年までにたばこ事業における容器包装材総重量のうち、20%相当のリサイクル材の使用を目指しています。

バリューチェーン下流における廃棄物の影響も含め、私たちの製品に由来する環境負荷軽減に取り組むことは、事業上必要不可欠です。そして、こうした取り組みはお客様の期待にお応えするものであり、持続可能な事業運営につながると考えています。

たばこ事業のサステナビリティ戦略に定める目標は、プロダクトスチュワードシップ、資源循環、廃棄(環境)をご覧ください。

RRP回収の取り組み

RRPは、電子機器の廃棄物が生じるなど環境保全の観点で新たな対応が必要な製品ですが、デバイスに含まれるバッテリーや金属部品はリサイクルが可能です。

お客様に使用済み製品を安全にリサイクルまたは廃棄いただけるよう、JTグループではサステナブルな廃棄方法をご案内しています。Ploom製品を販売しているすべての市場では、店舗やポップアップストアにおいて使用済みデバイスを回収しており、お客様自身による責任ある廃棄を支援しています。

日本でのPloomの取り組み

日本でのPloomの取り組み

 

日本では、2019年に東京都内のPloom製品取扱店約300店舗にリサイクルボックスを設置し、お客様より使用済みデバイス(バッテリー)、たばこカプセル、カートリッジを回収するプログラムを実施しました。2020年からは、たばこ業界としての取り組みに移行の上、2021年には対象エリアを全国へと拡大し、現在47都道府県において約1,200カ所の回収ポイントを設置しています。

※加熱式たばこ機器等の回収・リサイクル活動の詳細はこちら別窓で開くをご覧ください。

「ひろえば街が好きになる運動」

日本では「ひろえば街が好きになる運動」という清掃活動を2004年から行っています。自治体、ボランティア、各催事の実行委員会や協働団体など、さまざまな人たちとゴミをひろう活動です。

これまでの開催回数は2,800回以上、協働団体数は5,000を超え、参加者は200万人を超えました。

私たちは『ひろう』という体験を通じて、『すてない』気持ちを育てたい。もっともっとすてない人を増やしたいと思います。

「ひろえば街が好きになる運動」

 

2004年以降の主な成果

開催回数 2,800回以上
参加者数 200万人以上
協働団体数 5,000以上

包装材

JTグループの包装材が環境に与える影響を減らすため、サステナビリティ・プログラム・チームは他の様々な部門と緊密に連携し、以下のグローバルプロジェクトに取り組んでいます。

1.アルミ箔製インナーライナーからの切り替え

JTグループは2021年、紙巻たばこ包装材中のアルミ箔のインナーライナーを、より環境に配慮した紙製インナーライナーに切り替える取り組みをスタートさせました。日本では、2024年8月より2030年までに順次切り替えを予定しています。これは、たばこ事業が掲げる包装材の目標に貢献するとともに、購入する包装材に関連した温室効果ガス(GHG)排出量削減にも役立つものです。

2.段ボールの重量削減

包装材に使用されている段ボールの量を減らすため、2021年から新プロジェクトが立ち上げられました。このプロジェクトにより、年間最大で5,200トンのパルプ材の使用削減につながり、約2,186トン(CO2換算)のGHG排出量削減が可能となりました。

3.プラスチックの削減

包装材に関する目標達成に向け、使用するポリプロピレン製包装材の厚さを薄くしました。これにより、2021年には化石燃料由来のプラスチックを約500トン、GHG排出量を最大769トン(CO2換算)削減することができました。プラスチックの削減にむけて、ポリプロピレンフィルムについては、引き続き代替素材を模索していきます。

4.リサイクル素材の使用拡大

紙巻たばこやRRPの輸送ケースに用いるリサイクル素材の使用拡大にも注力しています。この取り組みは、たばこ事業の工場や販売ルートで用いるすべての輸送ケースを対象に、2023年より展開していく予定です。国内輸送については、2025年までに輸送ケースを100%リサイクル素材製のものとすることを目標にしています。国外輸送については、2025年までにリサイクル素材の使用率を70%に引き上げることを目指します。これは、長距離輸送の間に、輸送ケースの剛性や製品品質が損なわれないようにするためです。

詳細については、包装材が環境に与える影響の削減および、JTインターナショナルのサステナビリティサイト別窓で開く(英語)をご覧ください。
また、加工食品事業における環境への取り組みについては、事業を通じたサステナビリティの取り組みをご覧ください。

バイオマスプラスチックを外装フィルムの原料に

 

精米工場では、精米過程で砕けて製造に使用できなくなった米、「砕米」が生じます。私たちは、業界初の取り組みとして、パックごはんの一部製品において、自社グループで発生した砕米を10%配合した、地上の二酸化炭素の増減に影響を与えないカーボンニュートラルの性質をもつ国産バイオマスプラスチック「ライスレジン®*を外装フィルムの一部原料として活用しています。「ライスレジン®」の採用に加え、外装フィルムの厚みを更に薄くすることにより、従来品と比較し、石油系プラスチック使用量を約4.2%削減しました。

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「ライスレジン®」は株式会社バイオマスレジン南魚沼の登録商標です。食用に適さない古米、精米時に発生する砕米などを、新しいテクノロジーでプラスチックへとアップサイクル(廃棄物や不要になったモノに手を加えて、そのモノの価値を高めること)したものです。

ライフサイクルアセスメントによる環境影響分析

ライフサイクルアセスメントは、製品開発プロセスに持続可能性を組み込むための重要なツールの1つです。このアセスメントによって、原料である葉たばこの収穫や加工から、輸送、流通、使用、廃棄(またはリサイクル)まで、製品ライフサイクルのすべての段階における環境影響を分析することができます。

2021年には、スイスとドイツでNatural American Spiritブランド製品についての新たな体系的ライフサイクルアセスメントを試験的に実施しました。このアセスメントは、紙巻たばこだけでなく、その他のたばこ製品も対象にしたものです。ここで得られた結果を、製品や包装材の改良や同ブランドのGHG排出量削減施策の策定に役立てていく予定です。

今後も、製品ポートフォリオ全体での環境影響最小化を目指し、定期的にライフサイクルアセスメントを実施していく予定です。また、社内アセスメント手法を確立し、アセスメント結果の解釈についての知見向上に努めます。

本ページは、JTグループの事業活動を説明するためのものであり、当社グループの製品について、消費者への販売促進もしくは使用を促すことを目的としたものではありません。