2024/10/11
【2024-25 大同生命SV.LEAGUE】
開幕直前！ 田中瑞稀主将インタビュー
主将に就任して2シーズン目となる田中瑞稀選手に、昨シーズンの振り返りや今シーズンのチームの展望、状況を伺いました。
キャプテンとして1年目、昨シーズンは皇后杯3位、Vリーグでは準優勝。振り返って、どんなシーズンでしたか
アニー（アンドレア・ドルーズ）も復帰し、ジャジャ（蓑輪 幸）も加わった。戦力的にも充実していて、自分たちでも「絶対に勝つしかない」と意気込んで迎えたシーズンでした。実際にレギュラーラウンドも難しい時もありながら勝つことができた。「勝てた」というのは自信になったのですが、そこで修正点や課題と向き合う難しさに直面しました。もしも負けていたら「ここはこう改善しないとダメだ」とすぐ対応できるけれど、勝っているとそこを見つけるのがなかなか難しい。
結果的にリーグの決勝では相手に自分たちの穴を突かれて負けた。勝ち続けたことを誇りにもう反面、皇后杯もリーグも大事なところで勝ち切れなかったのは事実で、何かが足りなかったということ。最後の大事な一戦に向けた調整ができなかった、という反省も残りました。
いろいろな選手が出場しながら活躍する。タイトルこそ取れませんでしたが、チャレンジの年でもありました
セッターも代わって、試合をしながらすり合わせて行ったので難しさもありましたが、試合を重ねる中で完成形に近づいていけた手ごたえもありました。塩出（仁美）も東（美奈）も練習からどんなトスがいいかを確認してくれて、一生懸命合わせようとしてくれた。スパイカーに歩み寄ってくれるセッターなので、多少うまくいかないことがあっても「何とかしてあげたい」という気持ちを強く持ちながらプレーしていました。特に私は年上でもありキャプテンでもあったので、助けたいという思いは人一倍強かったです。
田中選手にとってもキャプテンとして挑戦の1年目
正直に言うと、キャプテンになる前はやはり自分の成績がどうだったか、というところを意識していました。でもキャプテンになってからは確実に変わりましたね。たとえば昨シーズンも（試合の）途中から入ることが多かったのですが、もちろんスタートから行きたいという思いはありながらも、自分が出る時はチームが苦しい時なので、自分の成績よりもまずチームを助けたい、勝たせたいという思いでプレーしていました。スパイカーは基本的にいつもトスが欲しいのですが（笑）、でも自分以外の選手が決まっているなら、そこに集めればいいし、試合に勝つことができたらそれでOK。チーム全体を見て、どんな役割を果たせばいいかということばかり考えるようになりました。
存在感は至るところで存分に発揮されていました
あまり点数が取れていない時も「すごく印象に残る」と言っていただくことも多くて、とても嬉しかったです。1人の選手としてはやはり大事な1点を取り切れる選手でありたいし、印象に残る得点を挙げたい。相手が嫌がるような選手でありたいとずっと思い続けています。
今シーズンは酒井大祐新監督が就任しました。チームの変化は
わかりやすい変化を言えば、練習時間は大きく変わりました。大さん（酒井監督）からは「バレー以外の時間も充実させてほしい」と言われていて、実際に練習時間も短くなったので自分の時間は増えた。オンとオフのメリハリもつけやすくなりましたし、空いた時間を自分に必要なトレーニングに充てたり、休む時間にしたり、それぞれ考えて有意義に使っています。練習時間だけを見れば短くなったのですが、頭を使って考えながら取り組まなければできないメニューが多いので、考える時間、機会が増えたので身体も頭もいつも疲れますが（笑）、とても充実しています。
酒井監督からはどんなことを求められていますか
大さんは男子バレーの世界で活躍されてきた方なので、女子のラリーの長さを指摘されて、もっと効率的に点を取るために考えよう、と言われます。ロングラリーは女子ならではの魅力かもしれないですが、確かにもっと楽に点が取れれば疲労は軽減するし、そうするためにどんなプレーをするか。もっとこういう技もできるよ、と引き出しを増やすための技術練習も多く取り入れられているので、一人一人の選手が持つ引き出し、チョイスできるものの数が確実に増えていると感じています。
ポジション争いも激化しているのでは
各ポジション、それぞれ個性、特徴があるので、私も若い選手たちからたくさんのことを学んでいます。もちろん私自身もここで長年やってきた以上、自分のプレーで影響を与えたいとも思っています。みんなが刺激を与えながら、レベルアップしてチームが勝つのがベストだと思うし、普段からいい意味で競い合う関係が築けていれば、試合で誰が出ていても心の底から応援し合えるチームにもなれる。そういう関係性をつくりたいし、それぞれが自分の仕事を果たせる選手が揃ったチームにしたいです。
今シーズンからチーム名も「大阪マーヴェラス」に。SVリーグでは集客や運営など競技成績だけでなく求められることも増えます
特にここ数シーズンは男子に比べ、女子は試合でも空席が目立つことも多くて、私たちもスタンドを見て「もっと頑張らなきゃ」と思うことが何度もありました。まずは地元の大阪の方々にマーヴェラスというチームがあると知ってもらうことが一番だと思うので、もっとチームや選手のことを宣伝していきたいです。
田中選手が描く理想の会場、雰囲気は
やはり選手である以上、たくさんの観客の方々がいる中でプレーができるのはいつも以上に燃えます。そのためには選手個々ももっとできることがあるはずだし、地域のイベントに出るとか、試合の日もグッズ売り場に選手が顔を出すとか、プレーや試合に支障をきたさない範囲でいろんなチャレンジもしていきたい。マーヴェラスを熱心に応援してくださって、全国に足を運んでくださるファンの方々の存在は本当にありがたいですが、チームを知らないという人もまだまだ多いので、少しでも広げられるための行動もしていきたいです。
SVリーグ元年、どんなリーグにしたいですか
会場を埋め尽くすぐらい多くの方々見に来てくれた中で、それこそ「ここはライブ会場なの？」と思うような盛り上がりをつくりたい。家族連れで来ても楽しいという場所にできたらいいですね。SVリーグは世界最高峰のリーグを目指しているので、外国籍の選手も各国代表のトップ選手がたくさんいます。この選手を見たいと思って足を運んでもらえるのもひとつの入り口ですし、そこで「面白かった」と思われる試合を見せるのは私たち選手の頑張りにかかっていると思います。
今シーズンはどんなバレーを見せたいですか
もちろん絶対に勝ちにいく。それは当たり前なのですが、今までのマーヴェラスとはまた違う、「こんなプレーをするんだ」と驚かせるようなプレーもたくさんお見せしたいです。頭を柔らかく使って、豊かな発想で“魅せる”。バレーボールを楽しみながら勝ちにつなげられるのが一番だと思うし、そのために練習を重ねているので面白いバレーを見せたいです。
今シーズンの目標を聞かせてください
優勝です。SVリーグという新リーグに変わり、いろいろな変化もある。チーム内に目を向けても監督や選手も変わった。その中でも強いマーヴェラスを見せたいし、私たちもそうあるべきだと思っています。常に優勝を目指す、そういう強い集団でありたいので、今シーズンもてっぺんを目指します。
応援してくださる方々に向けて、メッセージをお願いします
昨シーズンはつかみ取ることができなかった優勝を、日頃から応援してくださっている皆さま、ファンの方々と一緒につかみ取りたい。今シーズンも私たちと一緒に戦ってください。そして個人的には、マーヴェラスはもちろん、もっともっと女子バレーをたくさんの方々に見てほしいので、ぜひ会場にバレーボールを見に来てください。マーヴェラスには個性豊かな選手が揃っています。面白さを、ぜひ会場で体感してください！
