2022/10/28

INTERVIEW

「2022-23 V.LEAGUE」開幕直前!
目黒優佳主将インタビュー

「2022-23 V.LEAGUE」開幕直前! 目黒優佳主将のインタビューをお届けします。

今シーズンから主将に就任しました。昨シーズンまで副主将を務めていましたが、新たに主将となり変化はありますか?

昨シーズンまでは小幡真子さんが主将、私も学生時代からずっと一緒にやってきて、マコさんのリーダーシップを見てきた1人です。いざ自分が主将となって、何ができるだろうと思っていたし「マコさんのようにならなきゃ」という葛藤もありました。でも吉原知子監督から「マコと同じではなく、ユウカらしい主将になってほしい」と言われて、吹っ切れました。私は私、コミュニケーションに関しては自分の持ち味でもあると思うので、年下の選手たちの話もどんどん聞きながら、自分が「こうしてほしい」と望むばかりでなく、周りがどうしてほしいかを聞きながら、質問形式で、いろいろな考えを引き出していけたらと思って取り組んでいます。

これまでチームの主軸として活躍した選手が退部し、チーム全体も変化した印象があります。実際の雰囲気はいかがですか?

年齢的にもキャリア的にも橘井友香選手と私、田中瑞稀選手が一番上の世代なので、ずいぶん若いチームになりました(笑)。
芥川愛加さんやマコさんを筆頭に、チームにとって存在の大きかった先輩が抜けたので不安がなかったと言えばウソになりますし、同期入団のヒックマン・ジャスティスにもずいぶん支えてもらってきたので、みんなが一気に抜けて、正直に言えば最初は「どうなるだろう」と不安しかありませんでした。でもその反面、自分たちがやらなきゃ、という気持ちにもつながりました。一人一人の考え方や思いがいい方向にも悪い方向にも行くと思うので、自分が持っている力がチームにどれだけ影響するかをそれぞれ考えながらやろう、と全体でも考えるようになりました。

昨シーズンを振り返って、特にV.LEAGUEは悔しい結果となりましたが、どんなシーズンでしたか?

コロナ禍のシーズン、開幕前から勝ち負けも重要だけれどそれと同じぐらい体調管理も重要になると思っていたので、選手の中でもルールを作って、リフレッシュしたい時も我慢して、行動制限をしながら臨んだシーズンでした。
リーグ中盤、終盤は中止になる試合も続いて、開催地まで移動しても試合がなくなってしまったり、その分終盤は平日に試合が入って連戦になったり、コンディション、メンタルの作り方はとても難しかったです。最後まで厳しい状況は続きましたが、その中で頑張って、頑張ってV・ファイナルステージ ファイナルまでたどり着いたのに、1試合戦っただけで2試合目は中止になってしまいました。思い返すと、今でも悔しいです。個人的にも1戦目は調子がよくなくてチームに迷惑をかけてしまったので、2戦目で力を発揮してチームの勝利に貢献するために練習の時からプレッシャーをかけて臨んできました。私だけでなく、チーム全体も1戦目で負けたとはいえ、いいイメージを持って、準備ができた状態で2戦目に向かっていたので本当に悔しかったです。

本来ならばV・ファイナルステージ ファイナル、アジアクラブ女子選手権大会を経て、退部する選手を送り出したかった、という思いがある中、望んだ最後とは違う形になってしまいました

最後にみんなで戦いたかったのはもちろんですし、半年間ずっと苦しい思いをしていろいろなことを乗り越えてきたのに、最後に全員で試合をすることすらできず、積み重ねてきたものを表現することができませんでした。戦わずに負けという結果になってしまったことが悔しくて。でも、その経験があるからこそ、何があるかわからないと一人一人が実感したので、この1点、この1本、この1試合を大切に、今という時間を最大限に取り組んでいかなければいけないと思いました。悔しい思いは、これからに必ず生かしていきたいです。

新たなシーズンを迎え、チームや選手にどのような変化を感じますか?

今シーズンは今まで出場機会の少なかった選手も、試合に出る機会が増えるので、一人一人が見ているだけでなくリーダーとしてやってほしい、とみんなに伝えました。一人一人、自分がリーダーなんだ、という姿勢で取り組むことによって積極的な気づきも増えると思います。
戦略的な部分やシステムに関してはまだ詰めきれていないところもありますが、勝つチームとはどんな雰囲気なのか。私や瑞稀、橘井、経験してきた選手が少しずつ伝えていきたいし、伝えることが必要だと感じています。

V.LEAGUE DIVISION1優勝を経験した選手は増えてきましたが、V・チャレンジリーグ Iで戦った経験を持つ選手は少なくなりました

チーム内でも瑞稀と橘井、2人だけです。トモさんが監督になってからどんなバレーに取り組んできたか、チームとして何を大事にしてきたか。過去を掘り返すのはあまり好きではないのですが、その経験を伝えていくことはとても大切だと思うので、若い選手たちに向けて2人からいろいろなことを話してもらっています。 トモさんが就任した年の黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会で優勝したのですが、その時も2セット取られてから3セットを取り返しての優勝で、当時の映像を見ると「勝つ」ということに対して貪欲に、全員がハードワークしているんです。私自身もその映像を見て「この原点があるから、今があるんだ」と実感することができたので、チームとして、そして一人一人がやるべきことを再確認できるように、何度もミーティングを重ねてきました。

「勝つチームはこうだ」というイメージと重ねて、今のチームにまだ足りないと感じるのはどんなところですか?

私の経験も含めて、勝つチーム、勝ってきたチームはやはり一人一人が自立していたと思いますし、チームとしても当たり前にすべきことができていました。練習中からピリピリして、時にぶつかり合いながらも、解決する力があることが強さでした。今はまだその力自体が足りていなかったり、解決するまでに時間がかかってしまったりするので、いかにコートの中で解決方法を素早く見つけて実践できるか。
一人一人が自立することが大前提で、当たり前の基準を高く持って取り組んでいくことが大切だと思っています。

技術面で特に重視して取り組んできたのはどんなところですか?

ディフェンス面には力を入れてきました。一人一人が勝手な動きをすると穴ができてしまうので、本来いなければいけない場所にいない、ということがないようにトータルディフェンスはかなり意識して取り組んできました。相手より多く点を獲るためにはサーブも重要なので、駆け引きや打ち分けも重要視してきましたし、ディフェンスから1対1の場面をつくって、そこでの決定率も上げないといけません。
JTマーヴェラスはサイドアウトが取れている時は勝ちにつながっているので、まずはサイドアウトを確実に取ること。そこにプラスして、泥臭くてもこの1点は必死に獲るとか、勝ちたいからこのプレーをやった、という意志を持った、メンタル、ハートの強いチームになりたいですね。リーグを通していろいろな経験をしながら、学ぶことがたくさんあると思うので1試合、1セットごとに成長していきたいです。

今シーズンのスローガンは

「新成」です。もう1回自分たちを鍛え上げてV.LEAGUEで女王の座を奪還する。これまで同様ハードワークを怠らず、メンバーが抜けても強いと証明できるように、JTマーヴェラスのバレーボールはこうだ、強いんだ、と証明できるような言葉をスローガンとして掲げました。バレーボールファンの方にはもちろんですが、もっと多くの方にJTマーヴェラスを知ってもらい、いろんな方に応援してもらえるチームになりたいです。

まさに「そろそろ地元に愛されたい」ですね(笑)

そうです(笑)。駅のホームにポスターがドーンとあってびっくりしました(笑)。
地元の方々にも知っていただくためにSNSの活用だけでなく、今シーズンはバレーボール教室も積極的に参加しました。今の小学生はバレーボールだけでなくバスケットボールとか、いろいろなスポーツをしている子たちが多いので、その中でも「バレーボールって楽しいな」と思ってもらえたら嬉しいし、そのきっかけとなるように、一緒にバレーボールをするだけでなく、自分たちがバレーボールをする姿も見てもらうようにしたんです。
もっともっといろいろなことにチャレンジしていって、まずは「JTマーヴェラスの試合を見に行こう」と思ってもらえるようになりたいですね。

今シーズンの目標を教えてください

新しい、若いチームとして女王の座を奪還することが大きな目標ですが、まずはバレーボールを楽しむこと。まだまだ思い描いているところに達してはいませんが、リーグを通して成長を重ね、爆発的な力強さが発揮できるようになりたいです。
コートの外、中、どこにいてもどんな立場でも絆やつながりを持って、チームが勝つために、みんながいい顔をして戦っているところを見ていただきたいです。まだまだ足りないことも多いですが、それだけ伸びしろがあり、成長できるところだと思うので、問題や課題から目を背けずに前へ進む。1日1日を無駄にせず、一人一人が「自分がやるんだ」という思いを表現できたらもっといいチームになると思うので、主将として、広い視野を持って、チームをまとめていきたいです。