紙巻たばこ(シガレット)

概要

細かく刻んだたばこ葉を紙で細長く巻き上げた形態のもの。私たちが普段よく見かける最もメジャーなたばこです。

発祥

南米の先住民がトウモロコシなどの葉でたばこを巻いて喫煙していたのが紙巻たばこのルーツといわれています。南米に渡った欧州人の間で紙で巻いて喫煙する方法が広まり、欧州各地に伝わりました。当時は手巻きで作られていましたが、19世紀に「巻き上げ機」が開発されたことで製造が容易になり、世界中で急速に普及しました。

構造

紙巻たばこの主流であるフィルターシガレットは「刻(きざみ)」「巻紙(まきし)」「フィルター」「チップペーパー」と呼ばれるパーツから構成されています。

刻(きざみ)について

葉たばこを細長く刻み乾燥させたものが「刻(きざみ)」です。葉たばこ本来の特徴を活かしたブレンドを工夫したり、香料を加えたりすることで、それぞれの銘柄特有の味わいを作り出します。ちなみに、ブレンドにはいくつかの種類があり、国産葉を中心にした日本独特のブレンドもあります。

<ブレンドの種類>

アメリカンブレンド バランスの取れた軽快な香りや味等に特徴があり、日本では主流のブレンド。
メビウス、ホープ等
バージニアブレンド 香料を最小限しか使わず、葉たばこ本来の香りを生かしたタイプ。
ピース等
ドメスティックブレンド 国産の葉たばこを中心にブレンドしたタイプで、日本独特のもの。
セブンスター、エコー等

<香料について>

葉たばこ本来の味・香りを整えたり、銘柄特有の味わいに仕上げるために使用されるのが香料です。また、たばこ特有の気になるニオイ成分を抑える香料や、フィルター部分に搭載されたマイクロカプセルをつぶすことで、香りの変化や広がりを愉しめる製品も開発されています。

フィルターについて

現在、世界で販売されている紙巻たばこの90%以上はフィルター付きです。フィルターにはいくつかの種類がありますが、世界的に主流なのはアセテートいう繊維から作られた「アセテートフィルター」です。日本国内では、活性炭を加えた「デュアルチャコールフィルター」も多く使われています。また「AFTフィルター」など形状に特徴があるものもあり、それぞれがたばこの味わいに大きく関係します。

アセテートフィルター

洋服などにも使用される繊維「アセテート」を使用したプレーンフィルター。

デュアルチャコールフィルター

アセテートフィルターに活性炭(チャコール)を混ぜ合わせたもの。

AFTフィルター

フィルター表面にギザギザの溝があり、煙を吸い込むと同時に外気が取り込める構造になっている。

巻紙について

たばこを包む巻紙には、麻や木材を主体とした素材が多く使われています。近年は、原料の構成要素を変えることで、より強固な灰を作る巻紙なども開発されています。これにより、煙を灰の中に留め、燃焼時に発生する副流煙の低減が可能となりました。また、副次的に灰飛散低減効果も得られています。

タール/ニコチン値

たばこ1本あたりのタール量は整数値、ニコチン量は小数点1桁までの数値で表示されています。

タール・ニコチン含有量の測定方法

「自動喫煙器」を使用し、決められた条件の下で主流煙の粒子部分を集めます。
ニコチンは、集めた粒子を溶かして測定。
タールは、その粒子の重さからニコチンと水分の重さを差し引いて測定します。
(この測定法は法令により定められています)

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