MEMBER INTERVIEW

いまだ「正解のない」発展途上の市場。
お客様の生活を豊かにするために、
これまでにないデバイスを開発していきたい。

製品開発(RRP*デバイス)

長浜 徹Toru Nagahama

RRP*のソフトウェア設計

JTグループ初のBluetooth対応デバイスの開発に従事。

2020年4月に経験者採用で入社。前職は音響機器メーカーでBluetoothを使ったワイヤレスオーディオ機器や通信機器の組み込みソフト開発に従事していました。JTグループへの入社を決めたのは、エンドユーザーに直接届いて身近に使っていただける製品を作りたかったから。スマートフォンやスマートウォッチのように、お客様が日常的に持ち歩いて使用しているデバイスって意外と少ないんですよ。Ploom Xのような加熱式たばこデバイスはその1つ。そこに惹かれたのが大きな理由です。

入社後は早々にJTとJTインターナショナル(以下、JTI)が共同開発するグローバルモデルのPloom Xの開発にアサインされました。JTグループでは初となるBluetoothに対応したIoTデバイスの製品仕様についてJTIと調整したり、アプリ開発担当者と通信仕様を決めたり、製品の検査方法について工場側とのすり合わせを行ったりと、製品開発に関わる企画から製造適正まで広い範囲を経験しました。

苦心したのはデバイスの熱制御面でした。加熱式たばこの場合、加熱温度が喫味に大きく影響するために、デバイスには高精度な熱制御が要求されます。それは音響機器メーカー出身の私にとって理解し難いほどの水準で、そこを理解するまでに相当苦戦したという記憶があります。お客様に満足いただける香喫味を喫煙時間中キープするための熱制御の妙を理解するために社内のさまざまな関連部署やメンバーとのコミュニケーションを重ねるなかで、前職の電機メーカーよりも製品開発に関わる人の多いことにも驚きました。

スマホと接続しているPloom Xは常に決められた周期で双方向に無線通信して同期をとっています。
加熱制御も決められた周期で温度の監視と制御をしています。
この決められた周期がお互いに競合しないように処理を工夫したり、仕様を検討するのに苦労したという感じです。

熱制御はBluetoothの搭載にも影響しました。組み込みソフトのプログラミングの難易度はさほど高くはありませんが、無線通信と熱制御はそれぞれ決められた周期で動いており、この決められた周期がお互いに競合しないようにRRP*のおいしさに必要な熱制御とBluetoothの規格順守の両立を達成することに非常に苦労しました。

*Reduced-Risk Products:喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品

人とのつながりの大切さを痛感した有意義な経験。

現在の仕事では、人とのつながりの大切さをつねづね感じています。前職で手掛けていた音響機器や通信機器と比べて、RRP*のデバイスは機能面や安全性などのほか、開発にさいして考慮、配慮する要素が多く、そのぶん関わる分野や人も多い。確たる製品仕様を決定し、生産に漕ぎ着けるまでのプロセスは一筋縄ではいきません。実際に途中幾度かの仕様変更を強いられましたし、たくさんの方に迷惑をかけることにもなりました。

しかし、それは苦労を伴いながらも、組み込みソフトエンジニアである私にとってすごく有意義なものになりました。お客様に快適に満足して愉しんでいただく、というゴールに向けての最適解を模索しながら、前職の音響機器メーカーではありえないようなトラブルに直面するたびに、多様な専門性を持っている社内外の仲間に話を聞かせてもらい解決していく。そのプロセスのなかで痛感したのが、人とのつながりの大切さでした。

RRP*はまだまだ発達します。お客様の生活を豊かにするデバイス作りに挑戦したい。

RRP*の市場はまだ発展途上ですし、製品仕様においても、「これが型である」というところまで成熟していません。今後は積極的にお客様の生活を豊かにするサポートをできる製品作りにチャレンジしたいと考えています。従来の紙巻たばこと同様に違和感なく、おいしく愉しめることは大前提。喫味に影響を与える加熱はデバイスでコントロールしているわけですから、たとえばお米の銘柄や料理に合わせた多彩なモードを実装した電子炊飯器のように、デバイスでモードを自在に選択できる、さらには、デバイス側で最適なモードを自動選択することで、いつでも快適にたばこを楽しんでいただけるような製品を作ってみたいですね。

加えて、スマートフォンやスマートウォッチなどと同様に、RRP*のデバイスは、たばこを吸われる方が日常的に持ち歩き使用している限られたガジェットの1つですから、たとえば、1日あたりに吸うたばこの本数や喫煙のスパンといったお客様のライフサイクルに関わる情報を収集して記録することも技術的には可能です。スタンドアローンか、あるいはスマートフォンとリンクさせてか、手段はその時々で変わるかもしれませんが、最適な情報インフラとつながることで、さながら空気のようにお客様の生活をサポートできるようなデバイスが作れたなら、開発者冥利に尽きますね。

JTグループと聞くと、巨大で鈍重な老舗企業という印象を持つかもしれません。事実、私がそうでした。しかし、実際に入社してみると、スピード感を持ってRRP*のような新しいスタイルのたばこ製品にチャレンジしていくのだというマインドが現場レベルまで浸透しています。スピーディーな変化にワクワクを感じるような方や既成概念に囚われずにチャレンジしたいことがある方と一緒に仕事ができたら楽しいですね。JT R&Dグループはそういう方を放っておかない職場です。

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