研究成果の効果的な蓄積と発信により、グローバルな事業貢献に繋げる。
基礎研究(葉たばこ研究)
小池 明子Akiko Koike
研究戦略策定・課題マネジメント(企画・調整・管理)
グロ-バル市場の多様なお客様ニ-ズに応える、新しい葉たばこ品種開発に従事。
大学は農学部で植物の病気に関する研究を行っていました。研究材料としてタバコ植物を扱う機会があったためJTグループに興味を持ち、2012年に入社しました。以来、主に葉たばこの研究を行ってきました。入社4年目にイネやトウモロコシについて植物学的な研究を行っていた最先端の研究所に赴任し、葉たばこに留まらず、より広範囲な植物に応用できる研究スキルを取得。その後、もともと在籍していた研究所に戻り、世界中のお客様のニ-ズに応えるべく、嗜好性の高いロ-スティな香喫味に着眼した品種開発にチャレンジしました。その研究成果は特許化され、国際学会でも発表しました。
その後1年半の産休・育休を経て、現在は、これまでの研究開発で培った知識・経験を活かして、世界No.1 R&Dの研究所の実現に向けた研究戦略および戦術の策定を担当しています。
個々の研究成果を組織知として蓄え、メンバーの発想刺激に転換。
研究チームに在籍していた頃は、研究を進めるのと並行して実験手法の手順書化、研究開発報告書の作成を行うなど、業務・情報の見える化を心がけてきました。当たり前かもしれませんが、紡ぎあげてきた専門性や知見は、組織知として継承していくことではじめて、製品開発・葉たばこ原料の生産性向上・安全性や信頼性の担保といった着実な事業貢献に繋がると思います。研究の仕事は短期間ですぐに成果を出せるとは限らず、何年も続く長期勝負のものもあります。研究成果がすぐに実用化に至らなくても、知見を組織知としてプールしておくことは大事です。実際に、8年前にストックされた研究成果が新製品開発に活用された事例もあります。
現在のチームに異動後、研究所全体の情報の流動性をより高めると同時に情報や知識をきちんと整理してストックし、組織知化する活動を行っています。研究は過去知見を参照すること、そして、様々な情報を組み合わせてヒントにすることがとても大切です。この活動が研究員へのよい発想刺激に繋がればうれしいです。
R&Dグループ一丸となって研究成果を世界の市場に繋ぐ、架け橋のような存在に。
研究者として専門性を極めていくことはもちろん重要ですが、企業では、研究者一人ひとりがその専門性を効果的に発揮し、経営者目線をもちながら、より事業貢献に繋がる成果を創出できるよう推進していくことも同じくらい重要だと思っています。研究所の研究成果を最大化し、より事業貢献に繋がる研究戦略を策定するためには、他組織との連携は必須です。そのため、まずは研究所内外から研究に関する相談を気軽に投げかけられる「目安箱」のような存在になり、組織間の連携をより強固なものにするための橋渡しを担っていきたいと考えています。R&Dグループ一丸となって効果・効率的な研究成果を着実に創出し、それを後進に継承していけるよう、より良い仕組みづくりに邁進していきたいです。