製造工程や製品開発に
数値解析で貢献
技術開発(たばこ要素技術)
大川 直記Naoki Okawa
数値解析を利用したRRP*の製造工程の開発
目に見えないものを可視化し、
開発のスピードアップに貢献する
2010年からおよそ6年の工場勤務を経て、その後、たばこ葉の原料加工工程の開発に従事しました。2019年8月からは、数値解析の業務に携わり、RRP*を中心に製造工程の改善や製品開発に関わる領域でデータの解析やシミュレーションなどの仕事を行っています。
数値解析は、リアルで検証しにくいものや可視化できない現象を再現できることが醍醐味です。例えば加熱式たばこの場合、加熱するとスティックの中を通って成分が口の中へ移っていくのですが、そのときの風の流れや熱の伝播などを解析してパソコン上で再現します。その際、風の流れや熱に色をつけるなど、本来なら目に見えないものを可視化ですることもできます。
他には、時間やコスト、設備などの面で実験が適わないものをシミュレーションできますし、資材を取り寄せる前に資材の種類を変えて、数値解析で検証することもできます。見えないものを可視化すると新たな発見ができることもありますし、開発のスピードアップやコスト削減に貢献できる技術です。
*Reduced-Risk Products:喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品
数値解析の可能性は無限大。
世界中から依頼される存在になりたい
もともと数学が好きで、数学科の出身でもあるのですが、数値解析の仕事をするにあたっては数学以外、例えば物理、化学、電気などの知識が足りないことを痛感しました。分からないことがあると、自分で調べたり、周りの人に聞いたりして、一つずつ解消していますが、先輩社員のアドバイスや、研修を通して学ぶ機会もあります。
現在、私のチームで数値解析の業務を担当しているのは、5人。それぞれ専門が、数学、電気、機械工学などバラバラなので、互いに補完し合いながらチームで課題解決にあたっています。また、業務の特性上、多くの部門・部所と関わることができるので、横のつながりをもつこともできました。
数値解析を活用し、成果に貢献できる可能性は無限にあると思うので、もっともっと社内での知名度を上げて行き、世界中のあらゆる部門・部所から「これできる?」と頼まれるようになったらいいなと思っています。
プラスアルファの仕事が
数値解析発の製品開発につながる
R&Dグループは何もないところからモノをつくっていく、仕事の自由度が高い部門です。発想次第で何でもできるおもしろさがあります。特に数値解析は、様々な領域でコストなどを気にせず活用できる技術です。まだまだ自分の力不足でできない分野もありますが、じっくり考える時間もあるし、相談できる仲間もいます。
R&Dグループで仕事をする上で心掛けていることが2点あります。1点目は、既成概念にとらわれないようにすること。「今まではこうだった」を理由にすると、新しいことが何もできなくなってしまう可能性があるので、「なぜ必要なのか」という視点を忘れないようにしています。2点目は、雑談をすること。雑談から得た情報が、仕事のヒントにつながっていくことが多々あるので、いろいろな人に会って話をするようにしています。
数値解析としては、依頼されたシミュレーション結果を渡すときに、結果だけ伝えるのではなく、依頼の意図をくみ取った上で、自分なりにプラスアルファをしてお返ししようということも決めています。いつか、そのプラスアルファが、数値解析発の製品開発につながればいいなとも思っています。