責任あるサプライチェーンマネジメント

JTグループが持続的に成長し続けるためには、JTグループの事業を支えるサプライチェーンが事業環境の急激な変化に耐え得る、持続的なものであることが欠かせないと認識しております。この考えのもと、サプライヤーやサプライヤーの属するコミュニティが直面する社会課題に、JTグループも協働して取り組んでいくことが必要であると改めて確認し、4つのサステナビリティターゲットを定めています。

サプライヤースクリーニングおよびデュー・ディリジェンスの推進

サプライヤースクリーニングおよびデュー・ディリジェンスの推進は、JTグループの持続可能性を担保するとともに、サプライヤーやサプライヤーが属するコミュニティが直面する課題をJTグループとして適切に把握することを目的として定めています。

例えば、たばこ事業においては、2025年までにすべての重要サプライヤーに関するESGリスクを能動的に管理し、2028年までにすべての葉たばこ供給事業者において、90%超のサプライチェーン・デュー・ディリジェンス成熟度スコアを独立第三者保証付きで達成することを目指していきます。なお、たばこ事業のサプライチェーンについてはRRPの調達人のエンパワーメント-PEOPLE地球環境の保護-PLANETをご覧ください。

また、医薬事業および加工食品事業においては、2025年までに、すべての主要サプライヤーに対するサプライチェーン・デュー・ディリジェンスを完了することを目指していきます。

「責任あるサプライチェーンマネジメント」に係る4つのサステナビリティターゲット

マテリアリティ

ターゲット項目

ターゲット

責任あるサプライチェーンマネジメント_icon  

サプライヤースクリーニングおよびデュー・ディリジェンスの推進

JTグループのすべての主要サプライヤーに対し、ESG観点でのスクリーニングを実施します。

たばこ事業においては、2023年までにすべての主要サプライヤーに対し環境、社会、ガバナンスの評価項目に照らした審査を完了のうえ、2025年までにすべての葉たばこ調達国において耕作労働規範(ALP)プログラムを導入します。

さらに、持続可能な事業の継続のため、2025年までにたばこ事業におけるすべての重要サプライヤーに関するESGリスクを能動的に管理し、また、2028年までにすべての葉たばこ供給事業者において、90%超のサプライチェーン・デュー・ディリジェンス成熟度スコアを独立第三者保証付きで達成することを目指します。

医薬事業および加工食品事業においては、2025年までに、すべての主要サプライヤーに対するサプライチェーン・デュー・ディリジェンスを完了し、以降も定期的に実施します。

また、加工食品事業においては、JTグループサプライヤー行動規範やアンケート等を用いて価値観を共有しながら、サプライヤーと密接なコミュニケーションを行い、協力関係の構築を通じて持続可能なサプライチェーンの実現を目指します。

人財への投資と成長機会の提供_icon

たばこ農家の生活収入

私たちは、JTグループに葉たばこを提供するすべての農家の方々が生活収入を得ることを強く望んでいます。また、2025年までに、直接取引のある葉たばこサプライチェーン産地のすべてにおいて、生活収入の測定を行います。

人財への投資と成長機会の提供_icon 良質なガバナンス_icon

児童労働を含む人権モニタリング

2025年までに、直接取引のある葉たばこサプライチェーン産地のすべての農場において、児童労働を含めた人権モニタリングを実施するとともに、関連するKPIs、防止策、是正策を年次で開示します。

人財への投資と成長機会の提供_icon

グリーバンス・メカニズム

2027年までに、安全でアクセスしやすく、かつ効果的なグリーバンス・メカニズムを通じ、直接取引のある葉たばこサプライチェーン産地におけるすべての農家と農場従事者の方々に対し、救済策へのアクセスを提供します。

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人権の尊重

私たちは、人権の尊重を、経営理念「4Sモデル」に基づいた事業活動を行う上で不可欠な要素だと考えています。また、人権の尊重は、サステナビリティ経営の根幹となるJT Group Materialityに通底するものと考えています。

JTグループは、バリューチェーン全体を通じて人権を尊重し、「国際人権章典」に謳われる人権および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」で規定された原則を尊重しています。JTグループ人権方針は「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)のフレームワークに則ったものです。

人権への取り組み—5つの柱

JTグループの人権への取り組みは、右に掲げた5つの柱を軸としています。このPDCAの取り組みにより、UNGPや経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業行動指針、国連食糧農業機関(FAO)による「責任ある農業サプライチェーンのためのOECD-FAOガイダンス」に則った体系的な人権デュー・ディリジェンスの継続的な実施が可能になります。

  1. 浸透
  2. 特定と優先順位付け
  3. 対処
  4. 効果の測定
  5. 開示
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人権デュー・ディリジェンス

JTグループは人権デュー・ディリジェンスを事業運営に不可欠なプロセスとして実施しています。人権デュー・ディリジェンスは、事業活動に起因する人権上の負の影響を防止し、自社の事業活動のみならずバリューチェーン全体で高い水準の行動を維持するための一助となっています。

私たちは、人権リスクがより大きい国から評価を行う「優先順位付け」の考え方に立ち、取り組みを推進しています。また、事業環境や社会環境の変化を踏まえ、人権高リスク国の定期的な見直しも行っています。

2017年には、JTグループ本社が所在する日本とたばこ事業の本社機能所在地であるスイスで人権影響評価を試行的に実施しました。以降、たばこ事業では、特定した人権高リスク国で評価を行い、2023年末時点で、11カ国で人権影響評価、17カ国で自己評価質問票による評価を完了しています。また、これとは別に葉たばこサプライチェーンに特化した評価も実施しています。

医薬、加工食品事業では、2023年に、国内事業拠点を対象に自己評価質問票による評価を行いました。2024年には複数の国内事業拠点の訪問調査を予定しています。

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