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会長メッセージ
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たばこ事業運営体制強化
当社では2022年1月から従来の国内/海外たばこ事業を一本化する新たな事業運営体制を導入しています。
本件は中長期的な成長に向け必要な施策であることから取締役会として承認しました。社外取締役からも、グローバル企業としてのこれまでの取り組みをさらに未来志向にした内容であり、強く支持するとのコメントがありました。
同時に、日本市場においては競争力強化に向け、従業員の早期退職募集を含む施策についても意思決定しています。本施策により影響を受ける従業員、また退職者に対するケアは十分に行うこと、加えて新体制の成否は経営陣および従業員一人ひとりの今後の意識・行動にかかっていることを踏まえ、モチベーションを喚起する形で社内コミュニケーションを行うことを執行に要請しています。
RRP・HTS*に係る2027年目標
一本化されたたばこ事業のもとで目指すのは当社の持続的成長ですが、そこに至るまでの道筋を明らかにすることが重要です。2022年2月に2027年までの目標を公表していますが、これに先立ち、RRPに関するマーケットや製品開発の状況、お客様の反応、また事業上のリスクについて、執行から取締役会に対して報告を受けています。たばこ事業においてはグローバルベースで着実に取り組みを進めていると理解しており、経営計画2022に基づき事業投資を強化する中で、今後さらなる発展に期待しています。
* RRP:Reduced-Risk Products、HTS:heated tobacco sticks
コーポレート・ガバナンスの強化
当社が中長期にわたる持続的な利益成長を実現し、当社のステークホルダー、ひいては経済・社会の発展に貢献するためには、コーポレート・ガバナンスをより一層強化する必要があると考えています。中でも、すべての事業活動の監督に責任を持つ取締役会の実効性が重要であり、年1回の実効性評価の実施、および結果から抽出された課題への能動的な対応を通じ、コーポレート・ガバナンスの強化を実現していきたいと考えています。当社取締役会の実効性は、他社と比較しても高い水準であると社外取締役からコメントがありましたが、実効性評価を通じて特定される課題については今後も真摯に受け止め、改善に努めていきます。
また、資本市場を含むステークホルダーとの対話や各種モニタリングの結果についても重視しており、ESGに特化した対話を通じ株主の皆様からフィードバックを得る機会も設けています。これらの取り組みから得られた示唆をもとに取締役会において改善策の検討を行っており、2021年度においては投資家の皆様との価値共有のさらなる深化や中長期での成長に向けたコミットメントを強化する目的で、役員報酬のKPIを見直すといった意思決定も行っています。
事業と社会のサステナビリティ実現
当社の事業活動は当社を取り巻く社会との相互作用の上に成り立っており、当社が持続的に成長するためには、事業活動を通じて社会の発展に貢献することが必要不可欠です。こうした考えのもと、当社取締役会はサステナビリティに係る目標設定、具体的取り組みの検討、目標の進捗管理に関与する体制としています。この結果として、新たに温室効果ガスや製品および容器包装材に係る環境目標、女性マネジメント比率に係る目標等を策定するとともに、たばこ事業を中心とした人権に関する取り組みをまとめた人権報告書を当社グループとして初めて発行するという成果につながっていると考えています。社外取締役からは当社グループの先進的な取り組みについて高い評価を受けており、私個人としても心強く感じています。
一方で、当社が長期的な視点でありたい姿やそれに向けた長期戦略に対して、資本市場から強い関心を寄せられていることも認識しており、その具体化に向けた執行との議論を深めていくこととしています。
社会環境の変化を踏まえ、事業および事業を取り巻く社会のサステナビリティに対する社会からの関心は今後ますます高まると見ています。当社取締役会は、ステークホルダーとの対話を継続しながら、より良き社会の実現、そしてその中での当社グループの持続的成長の実現に向けて、尽力してまいります。