テーブルマークこども大会 OB紹介

2020/02/28 最終更新(2019/06/24 公開)

第3回 斎藤慎太郎さん 2002年度岡山大会低学年部門優勝

2018年10月、自身初となるタイトルを獲得した斎藤慎太郎さん。
そんな斎藤さんは、2002年度の「将棋日本シリーズ こども大会」岡山大会に出場し、低学年の部で優勝を果たしています。

今回のインタビューでは、自身が将棋を始めたきっかけから、「将棋日本シリーズ こども大会」の思い出、そして初出場となる「JTプロ公式戦」への想いを語っていただきました。

参加を検討している皆さんへのメッセージもいただきましたので、最後までぜひご覧ください!

  • 本記事は2019年3月時点のインタビューに基づいたものです。
  • 大会名は2012年より「将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会」に改称。

インタビュー 斎藤慎太郎さんと『将棋日本シリーズ』

「常に将棋のことを考えていた」という斎藤少年にとって、「将棋日本シリーズ こども大会」は初めて参加した本格的な大会でもあり、初めて「優勝」を経験した大会でもありました。

将棋を始めて、勉強が実を結ぶ喜びを知りました。

幼少期は一つのことに集中するのが得意で、わりともの静かな「こども」だったと聞いています。じっくり考え込むような子で、考えてから動き出すのは早いけれど、動き出すまでが長いと。
昔から「こどもらしくない」と、よく言われていました。

6歳のころに通っていた公文で、「読書をしてみよう」という流れになり、ふと手に取った本が羽生先生(羽生善治九段)の物語が書かれた本でした。

漫画形式で読みやすく、「将棋というものがあるんだ」と知り、両親に買ってもらい始めたのがきっかけですね。

将棋を初めて3カ月ぐらいで、関西将棋会館のこども将棋教室に通いました。そこで詰め将棋や囲いなど(「何囲いがある」などの形)を教わりました。
そこから、これまでまったく勝てなかったお父さんにも勝てるようになりました。

勉強した囲いなどの作戦で勝てたというのは、今でも覚えています。教室で勉強したことが実を結んだ喜びというのを、その年で学んだような気がします。

当時は、基本的に将棋も楽しかったのですが、級や段が上がっていくのがとにかく楽しかったのと、同じぐらいの年齢の将棋仲間が増えていくのが楽しくて。
その時に奨励会やその先のプロというのを知りました。

そのころはプロを目指すというよりも、どんどんクラスが上がっていく楽しみを仲間と一緒に目指せるなら、自分も一緒にやってみたいという想いでした。

それからは、とにかく将棋中心。土日は道場に通い、平日は学校から帰ったら宿題をすぐに終わらせて将棋の時間にするような生活ですね。

食事中でも将棋がいろいろ気になって。家族で旅行に出かけても、常に将棋のことを考えているように見えて、それ以来、旅行に誘わなくなったと、後々言われました(笑)。

自分と同じぐらいの年齢で、自分よりも強い人に出会えるという楽しみが大会の魅力。

「将棋日本シリーズ こども大会」は、岡山大会に出場しました。当時は大阪での開催はなかったかと思います。

少し距離はありますが、それこそ家族との旅行を兼ねての初めて出る大会でした。自分の中では、もし負けても「旅行だし」ぐらいの気楽な感じで送り出してもらっていた感じはありますね(笑)。

それまでは、関西で15〜6人ほどのトーナメントに出場するぐらいでした。本格的な大会も、「優勝」した経験も、この「将棋日本シリーズ こども大会」が初めてでした。

それをきっかけにさまざまな大会に出始め、後に小学生名人戦の代表を目指したりしました。

岡山大会では、菅井竜也八段との出会いもありました。1学年差だったため、3年生と4年生でブロックは分かれてしまったのですが、共に決勝戦に出ていたので、一緒にその後の「JTプロ公式戦」を観ていた記憶があります。

初対面にも関わらず気さくに話しかけてくれた印象があり、今もその印象は変わらないですね。

「テーブルマークこども大会」の良いところは、一番には「決勝戦」の楽しみがありますね。「決勝戦では和服で対局できる」というのを聞いていたので、それが楽しみであり、励みになっていました。

また、この大会に出て、自分と同じぐらいの年齢で、自分よりも強い人に出会えるという楽しみはありましたし、そこがまた魅力だったと思います。

「JTプロ公式戦」は棋士として目指してきた名誉ある棋戦

「JTプロ公式戦」出場が決まった時は、気持ちとしては当時、会場でプロの姿を観ていた場所に自分が行けるということに「感慨深い」という言葉がぴったりくるのかなと思います。

また、棋士として目指していた名誉ある棋戦なので、出場できることにほっとしたというのもあります。

今回は菅井八段ともあたるかもしれません。他の棋士とあたるのも、もちろん楽しみではありますが、あのステージに一緒に出ていた二人が対局するというのは、自分の中でも結構、思うところがあるかもしれませんね。

昨年は解説として参加させていただきましたが、あの空気感や緊張感はその時に学べたと思いますので、そのイメージは忘れずにいきたいですね。

また、早指しですので、決断良く、観ていただいている方が「おっ」と思える一手を指せるように、頑張りたいと思います。

ヒストリー 斎藤さんの今日までのあゆみ

生まれてから今日までの斎藤さんの輝かしい軌跡を年表にまとめました。

  • 19934月、奈良県奈良市に誕生
  • 1999将棋を始める
  • 2002「将棋日本シリーズ こども大会」で初優勝(初出場)
  • 20046級で奨励会入会
  • 200814歳9カ月で三段に昇段
  • 201218歳11カ月で四段に昇段、プロ入り
  • 2016将棋大賞勝率一位賞と新人賞を受賞
  • 2017棋聖戦に挑戦、「テーブルマークこども大会」出場者として初めて大盤解説の解説棋士として登場
  • 2018王座獲得

テーブルマークこども大会について

キャラクター 斎藤さんのパーソナルデータ

斎藤慎太郎さん
1993421日生まれ
A
奈良県奈良市出身
父・母の3人家族

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身長
180cm
好きな
アーティスト
Mr.Children
右利き
足のサイズ
27.0cm
好きなテレビ番組
プロ野球、MLB中継
好きな食べもの
カレー
対局時の
服装のこだわり
模様や色を
その日の気分によって
気持ちが上がるものを選ぶ
相手から見えない程度で
体をほぐす

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参加申込

斎藤さんから
参加者へメッセージ

大会への出場当時は、頑張れば優勝にも届くんじゃないかと思いながらやっていた覚えがありますね。

決勝戦では、多くの方に観てもらいながらの対局に「気持ちよさ」もあり、そこで良い手を指して偶然にも勝てた将棋だったので、観てもらっている中で勝つことの楽しさも、なんとなく感じた覚えがありますね(笑)。

将棋で勝っても負けても、自分を振り返ることで成長につながると思います。だから、なにか成長できれば十分と思って、あまり思い詰めずに“楽しい将棋”を指してもらえたらと思います。