テーブルマークこども大会 OB紹介

2023/10/12 最終更新(2022/07/27 公開)

第4回 永瀬拓矢さん 2003年度・2004年度
東京大会高学年部門準優勝

2018年に初タイトル獲得後、現在までタイトルホルダーとして将棋界を牽引する永瀬拓矢さん。
そんな永瀬さんは少年時代から、「将棋日本シリーズ こども大会 東京大会」決勝戦に2年連続で進出を果たすほどの実力の持ち主だったのですが、意外にも将棋を始めたのは遅かったそう。

今回のインタビューでは、「将棋日本シリーズ こども大会」の思い出や、諦めずに将棋を続けることの大切さを語っていただきました。
また、こどもたちに向けてメッセージもいただきましたのでぜひ最後までご覧ください!

  • 本記事は2022年5月時点のインタビューに基づいたものです。
  • 大会名は2012年より「将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会」に改称。

インタビュー 永瀬拓矢さんと『将棋日本シリーズ』

将棋に出会ってからは将棋一筋の永瀬少年。
強くなるための信念と「将棋日本シリーズ こども大会」出場時の恥ずかしい体験とは――。

オセロや百人一首で遊んでいましたが、将棋一筋になりました

将棋を始めたのは小学3、4年生の頃でそれほど早くなかったと思います。実はこどものころは勉強が苦手でオセロや百人一首などで遊んでいることが多かったのですが、将棋に出会ってからは将棋一筋でした。“将棋を指す”という行動自体は同じですが、一局ごとに内容が違いそのたびに発見があって、それが楽しくて将棋に夢中になりました。

今では将棋ソフトが普及していますが、私がこどものころは将棋ソフトがあまり多くなかったので、道場に通って、道場の人たちと指していました。

たくさんの人と将棋を指して楽しめる「テーブルマークこども大会」

「将棋日本シリーズ こども大会」に参加したきっかけですが、幼かったので当時の記憶があまりなくて、正直なところあまり覚えてないです(笑)。きっと、両親が応募してくれたのだと思います。
見たこともない人数のこどもたちが集まっている会場を見て、素直に「すごい大会だな」と感心していましたね。

自由対局では対局をするごとに「将棋駒型消しゴム」がもらえるので、一局でも多く指して「将棋駒型消しゴム」を集めるのも楽しかったです。どちらかと言うと、私は良い結果を残すことよりも「将棋駒型消しゴム」を全種類制覇したい想いが強かったですね(笑)。もちろん全種類制覇しましたし、今でも記念として大切に持っています。

結果にはあまりこだわっていませんでしたが、2003年の東京大会では決勝戦まで進み、和服デビューを果たしました。和服を着るために洋服を一回全部脱いで下着姿になるのですが、こどもながらに下着姿になるのがすごく恥ずかしかったのは貴重な思い出です(笑)。

家や将棋道場など将棋を指す環境は多くありますが、緊張感がある場で指すことはとても大事だと思っています。普段指さないような相手と指すと、指し方にそれぞれ個性があって、楽しい発見があります。そういった意味でも、いろいろな人とたくさん将棋を指すことができる「テーブルマークこども大会」は魅力的な大会だと思います。

勝つ可能性をゼロにしないために続ける

いろいろな人と対局をしていると負けることも多く、その中で挫折も経験します。ただ、あの時に挫折しておいて良かったなと今になって思うんです。
上手くいかず、ほとんどの人が挫折を経験すると思うのですが、挫折をした後に今までと同じように落ち着いて指せるかが重要なんだなと気付きました。

厳しい言い方かもしれませんが、“挫折はできるうちにしておいたほうが良い”と思っています。挫折して諦めてしまうのは簡単ですが、諦めたら勝つ可能性はゼロになってしまいます。
こどものうちから挫折を乗り越えるという貴重な経験ができるのは将棋の良いところだと思っています。

ヒストリー 永瀬さんの今日までのあゆみ

生まれてから今日までの永瀬さんの輝かしい軌跡を年表にまとめました。

  • 19929月、神奈川県横浜市に誕生
  • 2001小学3、4年生の頃に将棋を始める
  • 2003「将棋日本シリーズ こども大会」で準優勝
  • 2004「将棋日本シリーズ こども大会」で準優勝
    奨励会入会
  • 200917歳0か月で四段に昇段、プロ入り
  • 2012「加古川青流戦」で公式戦初優勝
    3日後には「新人王戦」でも優勝し、わずか3日で2つの公式戦を制する
    将棋大賞勝率一位賞と新人賞を受賞
  • 2016棋聖戦でタイトル初挑戦
  • 2018叡王戦を制し初タイトルを獲得
  • 2019王座を獲得し二冠に
  • 2020王座戦で初防衛を果たし九段に昇段
    「JTプロ公式戦」初出場で準優勝
  • 2021王座戦で防衛を果たし三連覇達成

テーブルマークこども大会について

キャラクター 永瀬さんのパーソナルデータ

永瀬拓矢さん
199295日生まれ
B
神奈川県横浜市出身
祖母・父・母・妹・弟の6人家族

気になるところをタップしてね

身長
168cm
右利き
好きな食べもの
うなぎ、
にんにく、バナナ
対局時の
服装のこだわり
和服よりスーツで
臨むほうが
自分には合っています
あぐらになる

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参加申込

永瀬さんから
参加者へメッセージ

「テーブルマークこども大会」で上位まで勝ち進めるのはわずかひと握りだけ、優勝に輝くのは一人だけと厳しい世界ですが、上を目指す以外にも楽しみ方はいろいろあります。

自由対局では「将棋駒型消しゴム」がもらえるので、一局でも多く指して「将棋駒型消しゴム」をたくさん集めることを目標に頑張ってみるのも楽しみ方の一つだと思います。

「テーブルマークこども大会」は勝つことだけではなく、色々な楽しみ方ができる大会です。ぜひ、自分なりの楽しみを見つけてください。

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