たばこの大幅増税に反対する会社の取り組みについて

JT(本社:東京、社長:木村 宏)は、昨今のたばこ大幅増税議論に関し、関係各位・機関等に対して下記の陳情書の提出を含め、たばこ増税反対に関する理解を求めるため、諸活動を継続してまいります。

平素は弊社事業に対しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、昨今、「増税によるたばこ1箱1,000円」との報道や、「たばこと健康を考える議員連盟」が発足し、たばこ税の大幅増税が議論されるなどしております。これは、不足する財源確保のために「取り易いところから取る」という安易な増税議論であり、弊社はたばこ税の増税には断固反対いたします。

1.更なるたばこ税の増税は愛煙家の納得が得られない

たばこは、全国で2,700万人の多くのお客様に親しまれている大人の嗜好品です。愛煙家の皆様は、喫煙環境が厳しさを増す中で、マナーの向上や、たばこをお吸いになられない方々への配慮に努めておられます。そうした中、既に 1箱190円という個別物品税の中で最も高い水準の税を負担されているお客様に、これまでの3倍以上の高い価格を強いることは、到底、納得が得られるものではありません。

2.税の公平性を欠く安易な議論です

社会保障費等の財源確保のため、消費税増税の代わりにたばこ税を大幅増税するとの報道もなされておりますが、なぜ既に2兆3千億円もの税貢献をされている愛煙家の皆様だけが更なる負担を強いられるのか、これは全く税の公平性を欠くものであり、安易な議論と言わざるを得ません。

3.たばこ税を増税しても期待される増収効果は得られない

国内のたばこ市場は、成人人口の減少や高齢化の進展等により、構造的な減少傾向にあります。こうした状況の中で、平成15年、平成18年にたばこ税の増税が行われましたが、そのたびに消費の減少が加速し、当初期待された税の増収は実現しておりません。たばこの担税力は既に限界であり、更なる増税を行ったとしても、大規模なたばこ離れを引き起こすことは必至であり、期待される増収効果を得られるものではありません。

4.たばこは合法の嗜好品です

たばこの消費削減を目的として増税すべきとの意見もありますが、たばこは合法の嗜好品であり、消費削減を目的とするペナルティ的な増税はすべきではありません。また、たばこ税の増税が医療費削減につながるとの主張もありますが、医療費増大の原因をたばこにだけ求めることに科学的な根拠はありません。

5.たばこ税の増税はわが国たばこ産業に壊滅的な影響をもたらします

たばこ税の増税が行われた場合には、全国約30万店のたばこ販売店、全国約1万3千戸の葉たばこ耕作農家をはじめとするわが国たばこ産業に壊滅的な影響をもたらします。
弊社におきましても、国内のたばこ消費の減少が加速する中で、平成10年以降、既に14工場の廃止を含め大幅な合理化を継続的に行ってまいりました。たばこ税の増税による大規模なたばこ離れは、弊社国内たばこ事業の基盤に壊滅的な打撃を与えるものと危惧しております。

このように、たばこ税を増税しても増収効果がない中で、増税がもたらす極めて深刻な影響をご高察いただき、何卒、増税がなされないよう、強くお願い申し上げます。

以上

2008年7月1日
日本たばこ産業株式会社