神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例に基づく
適用除外認定施設に係わる審査基準(案)に関する意見

日本たばこ産業株式会社(以下、「JT」)は、今般公表された「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例に基づく適用除外認定施設に係わる審査基準(案)」(以下、「審査基準(案)」)に対し、以下のとおり意見を申し述べます。

JTは、既に公布されている「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」及び同施行規則に関し、主に施設管理者の方々に生じるであろう影響の観点から、当該条例等に含まれる種々の懸念点等について適宜意見を申し上げてきたところです。今般の「審査基準(案)」につきましても、以下のとおり、関係する施設管理者の方々に少なからぬ影響が生じるものと考えられます。

1.「第3 適用除外認定施設(専用利用)の要件」について

本項で定められている要件を満たしていることを証するためには、申請者たる施設管理者(事業者)が施設を利用する会員の名簿や顧客の利用状況を示す書類等を県に提出しなければならなくなるものと思われます。
JTは、適用除外認定の申請に際して会員名簿等の提出が求められた場合の施設管理者に生じるであろう影響等について既に意見を申し述べてきたところです。すなわち、施設の会員や顧客に係わる情報の扱いは事業者にとって極めて慎重な判断が求められる事項ですので、申請に際してこうした情報を県へ提出するよう求められる場合、事実上、適用除外申請が不可能あるいは著しく困難となることが懸念されます。
したがいまして、本項における要件の充足を証するための適切な手段・方法等が示されないまま、本項の規定をそのまま審査基準とすることは妥当ではないと考えます。なお、適用除外申請に際して提出が求められる書類等の種類・内容によっては、申請者に対して大きな負担となるおそれもあります。

2.「第4 適用除外認定施設(たばこ試喫販売)の要件」について

本項で定められている要件は、たばこ又は喫煙具の販売業を営む店舗の実態等を十分踏まえたものとはいえず、その妥当性には疑義があります。
すなわち、本項(1)では、「施設において商品を陳列している区域全体の水平投影面積に対する、たばこ又は喫煙具を陳列している区域の水平投影面積が、おおむね9割を超えること」が適用除外認定施設の要件とされておりますが、たばこ等を販売する店舗の態様はさまざまですので、商品陳列区域とたばこ等の陳列区域の面積の割合が「おおむね9割を超えること」を認定の要件として一律に求めることは妥当ではないと考えます。
したがいまして、たばこの試喫販売を行う店舗に関する適用除外の審査基準といたしましては、「水平投影面積」に係る一律の割合を要件とすべきでなく、本項(2)にある「試喫のためのたばこ又は喫煙具が、常に用意されていること」のみを要件とすべきです。

以上のとおり、「審査基準(案)」は、適用除外認定のための基準として必ずしも妥当なものとはいえず、関係する施設管理者の方々に少なからぬ影響が生じる内容となっていることから、今後、適用除外認定施設の要件の修正あるいは要件の充足を証するための手段・方法等について、更なる検討が必要なものと考えます。

JTは、これまで同様、適切な分煙方法に関する知見のご提供等を通じて県や施設管理者をはじめとする多くの皆様に協力するなど、今後ともたばこを吸われる方と吸われない方との協調ある共存社会の実現に向けて努力してまいります。

2009年7月22日
日本たばこ産業株式会社
代表取締役社長 木村 宏