「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例施行規則(案)の概要」に関するJTコメント

日本たばこ産業株式会社(以下、JT)は、神奈川県(以下、県)が公表した「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例施行規則(案)の概要」(以下、「規則(案)概要」)に関する意見を、以下に申し述べます。

先般、県において制定された「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」(以下、「条例」)の趣旨は、喫煙者や喫煙行為を排除することではなく、吸える場所と吸えない場所を明確にし、それを利用者にわかりやすく伝えることにより、受動喫煙を防止することであると理解しております。
また、今般県が公表いたしました「規則(案)概要」は、「条例」の円滑な施行・運用を目的として、その施行に必要な項目について定める細則に係るご提案であると承知しております。

しかしながら、「規則(案)概要」には、条例の円滑な施行・運用といった観点からして、今後さらなる検討が必要と思われる規定が少なからず含まれております。
例えば、「分煙基準(条例第11条関係)」では、開口部分を設ける場合には「毎秒0.2メートル以上の空気の流れを生じさせること」とされています。このような一律の基準をすべての対象施設に対し要求することは、これから分煙を行いたいと希望する施設においては、その実現可能性や、施設によって様々である利用実態等を十分に考慮した措置とは言えませんし、既に自主的に分煙を行っている施設においては、これまでの努力や投資が無駄になる懸念があります。なお、「表示方法(条例第15条関係)」については、施行規則で一律に定める必要性は必ずしも高くないことから、利用者の実態に応じて各施設管理者が施設に相応しいと考えるデザイン等で表示を行うことも許されるべきです。
また、「知事の認定を受ける申請(条例第20条第2項関係)」では、第2種施設からの適用除外申請に際して、「施設利用者の名簿」等の提出を求めています。このような個人情報を知事に提出することについては、申請者にとって慎重な判断を求められることから、当該要件により事実上適用除外申請が不可能となることも懸念されます。
以上のような規定を見る限りにおいても、今般の「規則(案)概要」につきましては、さらなる検討が必要なものと考えております。

JTはこれまで、希望する施設管理者に対しては、無料で当社の分煙に関する知見を提供する分煙コンサルティングを実施し、また県に対しては、受動喫煙を防止するための解決策として、「喫煙可能」「分煙」「禁煙」といった施設の喫煙に関する対応を施設管理者が選択し、それを店頭に表示することによって利用者に選択してもらうことを提案してまいりました。
JTといたしましては、これまで同様、たばこを吸われる方と吸われない方との協調ある共存社会の実現に向けて、引き続き県や施設管理者に知見のご提供等の協力を行ってまいりたいと考えております。

「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例施行規則(案)の概要」の詳細については、神奈川県のホームページに掲載されております。

2009年4月21日
日本たばこ産業株式会社
代表取締役社長 木村 宏