厚生労働省 研究班の「受動喫煙により年間6,800人が死亡」という推計に関するJT コメント

今般、厚労省 研究班は、「受動喫煙によって肺がんや心筋梗塞で死亡する人は、国内で年間約6,800人に上り、うち職場での受動喫煙が原因と見られる死亡者が3,600人を占める」旨の発表を行ったものと承知しております。

報道によりますと、厚労省 研究班は、国内の死亡者数に、国際的な研究機関等による疫学調査に基づいた受動喫煙のリスクを当てはめて、受動喫煙による死亡者数を推計した、とされております。

この死亡者数の推計値は、受動喫煙による周囲の方の死亡率の上昇等を報告する疫学研究の結果を用いて受動喫煙のリスクを1.3倍などの一定の数字に固定する等、様々な仮定や前提を置いて試算されたものであると考えております。
なお、受動喫煙のリスクにつきましては、これまで国際がん研究機関を含む様々な研究機関等により多くの疫学研究が行われておりますが、肺がんなどの慢性疾患については、受動喫煙によってリスクが上昇するという結果と上昇するとは言えないという結果の両方が得られており、未だ科学的に説得力のある形での結論は得られていないものと認識しております。

そもそも受動喫煙とは、たばこの先端から出る煙等が空気中で拡散し薄まったものを周囲の方が吸い込むことを言いますが、周囲の方の吸い込む煙の量は非常にわずかであり、たばこを吸われる方が吸い込む煙の量と比べ数千分の一程であるとの報告もあります。
非常にわずかな量とはいえ、受動喫煙は、周囲の方々、特にたばこを吸われない方々にとっては迷惑なものとなることがあることから、JTは、周囲の方々への気配り、思いやりを示していただけるよう、たばこを吸われる方々にお願いしています。

JTは、たばこを吸われる方々と吸われない方々が協調して共存できる調和ある社会が実現されることが望ましいと考えており、今後とも、受動喫煙に係る科学的知見の収集・ご提供をはじめ、適切な分煙の推進や喫煙マナーの向上等、喫煙を取り巻く環境の改善に積極的に取り組んでまいります。

2010年10月1日
日本たばこ産業株式会社
代表取締役社長 木村 宏