がん対策推進基本計画(変更案)の閣議決定について
6月8日、厚生労働省において検討されてきました「がん対策推進基本計画(変更案)」(以下、「変更案」といいます)が、政府により閣議決定されました。
「変更案」では、たばこ対策について、喫煙者率を「12%」(4割削減)、飲食店において受動喫煙の機会を有する者の割合を「15%」(喫煙者率を4割削減した上で半減)等とするとの数値目標が新たに設定されています。
たばこは合法な嗜好品であり、喫煙するかしないかは、適切なリスク情報に基づいて、成人個々人が自らの健康に与える影響を勘案して判断すべきものです。JTは、こうした性格を有するたばこについて数値目標を設定することは、本来成人個々人の選択の結果として決まる喫煙者率等を国の介入により特定の数値に誘導しようとするものであり問題があると考えることから、反対の意見を表明してまいりました。また、先般公表されました「がん対策推進基本計画(変更案)に対する意見の募集(パブリックコメント)の結果」においても、数値目標の設定に反対する意見が多数あったものと承知しています。
このような状況下で、たばこ対策の数値目標を含む「変更案」が政府により閣議決定されたことは極めて残念と考えます。
なお、厚生労働省は、今回の数値目標及び基本計画の考え方について、「個々人の選択に国が介入し、禁煙を希望しない人にまで禁煙を強制するものではありません」、「今回の基本計画は、厳格な分煙措置の規制を求めている訳ではなく、あくまで受動喫煙の機会を減らすことを目標としているものです」としております(平成24年5月23日 「がん対策推進基本計画(変更案)に対する意見の募集(パブリックコメント)の結果について」)。
今般の「変更案」を受けて、今後の、国の政策の策定ならびに、各都道府県におけるがん対策推進計画の見直しにおきましては、こうした今回の「変更案」における数値目標及び基本計画の考え方を十分踏まえた上で行われることと思われます。
JTは、今般の「変更案」が喫煙に関する個々人の選択への介入や厳格な分煙措置の規制等につながることがないよう強く求めてまいります。また、こうした検討に資する情報を各都道府県に積極的にご提供させていただくとともに、関係諸団体へも参考となる情報の提供等をあわせて実施させていただく所存です。
JTは、たばこを吸われる方と吸われない方の協調ある共存社会の実現を目指して、喫煙に関する適切な情報の提供、分煙の推進に今後も取り組んでまいります。
2012年6月8日
日本たばこ産業株式会社
代表取締役社長 木村 宏