コロンブスが新大陸(=アメリカ大陸)へ上陸して以降、ヨーロッパの各国は富と権力を求め、奴隷貿易でしのぎを削っていました。「たばこ」は、この貿易における重要産品の1つであり、生産地を手中に収めるスペインに対し、各国が闘いを挑みます。 図らずも、この状況の打破にひと役買ったのが、17世紀のイギリスに君臨した「たばこ」嫌いの国王・ジェームズ1世でした。
エリザベス1世の跡を受けて国王となったジェームズ1世は、在位後間もない1604年に『タバコ排撃論』を発表し、2つの“反たばこキャンペーン”を行います。
1. スペインから輸入していた「たばこ」に対し、約40倍もの関税をかけた 2. イギリス国内での「たばこ」の栽培を禁止した ところが、すでに「たばこ」は貴族から庶民まであらゆる人々の習慣として定着しており、さらに高すぎる関税によって密輸入が増加し、結果としてイギリスでは喫煙の風習が拡大することになったのです。 |