モナルデスの著書が発表された頃、スペインでは自国の植民地内での「たばこ」の栽培が盛んになります。これはスペインが、現・メキシコの中央部に栄えたアステカ王国と、ペルー・ボリビア・エクアドルを中心に栄えたインカ帝国を征服したことに端を発します。
当時のスペインは、国王が絶対的な権力を握る絶対王政の時代であり、王室は植民地が自国にもたらす莫大な富を求めていました。なかでも、薬草としても注目を集める「たばこ」は重要な産物の1つであり、スペインは、資源の豊富な南米の各地を次々と植民地化し、現地で盛んに「たばこ」を栽培させます。
こうしてスペインは、イギリスが台頭しはじめる16〜17世紀前半まで、世界の「たばこ」貿易を独占することになったのです。 |
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植民地で生産された葉たばこが運ばれるさまを描いた切手。 「スペイン、ポルトガル、アメリカ、フィリピン自治体の第4回会議記念切手」 (1967年/スペイン発行) |
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