マテリアリティとサステナビリティ

4Sモデルの追求を経営理念とする当社グループは、「自然や社会が持続可能であって初めて人の暮らしや企業の活動も
持続可能となる」という考えのもと、JT Group Purpose(パーパス)の具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに
貢献していくべく、サステナビリティ経営の根幹となる「JT Group Materiality(マテリアリティ)」を改定し、
「自然との共生」「お客様の期待を超える価値創造」「⼈財への投資と成長機会の提供」「責任あるサプライチェーンマネジメント」「良質なガバナンス」という5つの課題群を特定いたしました。

また、マテリアリティを踏まえた当社グループとしての具体的な目標および取り組みについて、全25項目からなる
「JT Group Sustainability Targets(サステナビリティターゲット)」を策定いたしました。
なお、策定したサステナビリティターゲットにつきましては、定期的に点検し、進化させてまいります。

当社グループは、マテリアリティを踏まえ、サステナビリティターゲットに定める具体的な取り組みを進め、パーパスを具現化していくことにより、持続可能な自然や社会づくりに貢献していきます。

JT Group Sustainability Targets詳細については、こちらPDFを開くをご覧ください。

JT Group Sustainability Targetsの策定

「自然との共生」

私たちは、「人の暮らしや社会、企業の活動、あらゆる人の営みは、生態系を紡いでいく一部である」と考えています。そうした考えから、私たちは、これまでの環境に関連する私たちの取り組みを生態系という観点から見つめ直すとともに、生物多様性の観点も踏まえ、私たちの事業が生態系に及ぼし得る、その復元力を超える負の影響を解消していくべく、以下のサステナビリティターゲットを設けています。

“自然との共生”についてはこちらもご覧ください。

「お客様の期待を超える価値創造」

私たちは、画期的な製品・サービスを通じ、幅広いお客様や社会に、その期待を超える価値を提供していきたいと考えています。そうしたグループとしての想いを、たばこ事業、医薬事業、加工食品事業の各事業の取り組みを通じて具現化していくことを目指し、以下のサステナビリティターゲットを設けています。

“お客様の期待を超える価値創造”についてはこちらもご覧ください。

*1
RRP(Reduced-Risk Products):喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品
*2
「未成年」とは、法令に定める喫煙可能年齢に達していない者を意味します。なお、法令に定める喫煙可能年齢は、各国・地域によって異なります。日本での喫煙可能年齢は、満20歳以上となっています。

「人財への投資と成長機会の提供」

私たちは、私たちのパーパス実現に向けた活動全ての起点となるのは当社グループ従業員一人ひとりであり、今後、その重要性は更に高まっていくと考えています。そうした中、私たちは、当社グループの人的資本の更なる拡充に向けて、複数のテーマに対し、多面的に取り組んでいくことを企図し、以下のサステナビリティターゲットを設けています。

“人財への投資と成長機会の提供”についてはこちらもご覧ください。

「責任あるサプライチェーンマネジメント」

私たちが持続的に成長し続けるためには、私たちの事業を支えるサプライチェーンが事業環境の急激な変化に耐え得る、持続的なものであることが欠かせません。その実現に向けて、私たちは、サプライヤースクリーニングやデュー・ディリジェンスといった取り組みを着実に進めるだけでなく、サプライヤーやサプライヤーの属するコミュニティが直面する社会課題に、私たちも協働して取り組んでいくことが必要であると考え、以下のサステナビリティターゲットを設けています。

“責任あるサプライチェーンマネジメント”についてはこちらもご覧ください。

「良質なガバナンス」

良質なガバナンスは、様々なステークホルダーの満足度を高め、信頼される企業体であり続けるための礎となるものであり、私たちのあらゆる活動の前提となるものと考えています。そうした中、私たちは、中長期にわたる持続的な利益成長と企業価値の持続的な向上の実現、およびステークホルダーまた経済・社会全体の発展への貢献を念頭に、 各事業の特性に着目し、以下のサステナビリティターゲットを設けています。

“良質なガバナンス”についてはこちらもご覧ください。

グループマテリアリティの改定

当社グループでは2013年からマテリアリティ分析に取り組んでおり、社内外のステークホルダーへのヒアリングを通じて、2015年に初めてJT グループ全体を対象とするマテリアリティ項目を選定しました。

当初特定したマテリアリティからの外部環境や事業環境の変化を踏まえ、2021年よりマテリアリティの見直しを開始しました。重要課題の洗い出しと分析、社内外のステークホルダーへのヒアリングを通じて、課題の特定と優先順位付けした上で、改めてマテリアリティマトリックスを作成し、JT グループのマテリアリティとして取り上げるべき課題群を特定、JT Group Materialityを策定いたしました。

JT Group Materialityはダブルマテリアリティの考え方に基づき策定されており、持続的な成長にあたって、ステークホルダーや社会への重要度や影響度と、グループへの重要度や影響度を踏まえています。なお、一連のプロセスは、外部コンサルタントのアドバイスを踏まえて実施しています。

2023年では、JT Group Sustainability Targetsの策定にあたり、起点となるJT Group Materialityについても外部コンサルタントやアドバイザーの意見を踏まえ、併せて点検を実施しました。その際、特定した5つのマテリアリティとマテリアリティ・マトリックス上の各トピックスについて、前年から急激に変化している要素の有無など、アップデートすべきものがあるか確認しています。今後もマテリアリティの点検を毎年実施し、紐づくターゲットについても定期的にモニタリングしてまいります。

JT Group Materiality の策定プロセス

JT Group Materiality は、戦略担当者、ERM担当者及び外部アドバイザーから成るプロジェクトチームを編成し、以下の4つのプロセスにより案を策定しています。マテリアリティの改定については、最終的には取締役会の決議を得た上でJT Group Materialityとして特定しています。

フェーズ 1:マテリアリティトピックスの洗い出しと作成

  • マテリアリティの特定に資する外部環境の変化やJTグループのさまざまな事業課題を踏まえ、グループの持続可能な成長やサステナビリティ課題にインパクトを与えうるトピックスの洗い出しを実施

  • SDGs、SASBやGRI等の各種サステナビリティ開示基準やフレームワーク、Enterprise Risk Management (ERM)*でのリスクファクター、同業他社のマテリアリティ等のさまざまな情報の調査・分析を通じて、トピックスを洗い出し

    *

    サステナビリティとリスク管理については、第39期有価証券報告書・P23へ

フェーズ 2:ステークホルダーインタビューとデスクトップ分析

  • 社内外のステークホルダーに対してフェーズ 1で作成した各トピックスをベースにインタビューやサーベイを実施し、意見をヒアリング・集約

  • さらに外部評価機関のレポート、グローバルメガトレンドやメディアレポート等の情報を含むデスクトップ調査を通じてトピックスの抜け漏れを確認した上で、社内外ステークホルダーにおけるトピックスを優先順位付け

  • ステークホルダーにより、マテリアリティトピックスの優先順位が異なることから、評価の品質を担保するため、多数のステークホルダーからの意見をヒアリング

ステークホルダーへのインタビューおよびサーベイ、実施状況

  • コーポレート・各事業の執行役員を中心に119人

  • サプライチェーン、取引先、NGO、社外関係者 27件

  • 投資家、銀行等 38件

  • 従業員等 約450件

フェーズ 3:マトリックスの作成と優先順位の可視化

  • 初回マトリックス同様、たばこ事業のマトリックスを策定し、それをベースに全社マトリックスを策定

  • 個々の課題とその重要性の可視化を企図し、ステークホルダーにとっての重要度や影響度といった優先度を縦軸に、JTグループにとっての優先度を横軸におき、マテリアリティトピックスをマトリックスに反映

フェーズ 4:課題群の特定

JT グループ・外部ステークホルダーの双方にとって優先度が高いものをJTグループが社会とともに持続的に成長するために優先的に取り組むべき課題と位置付けたうえ、課題感や対応の期待効果が近似するマテリアリティトピックスをグルーピングし、環境保全、製品・サービス、人財、サプライチェーンマネジメント、ガバナンスにまつわる5つの課題群を特定

JT Group Materiality

4Sモデルの追求を経営理念とする当社グループは、「自然や社会が持続可能であって初めて人の暮らしや企業の活動も持続可能となる」という考えのもと、JT Group Purpose(パーパス)の具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくべく、サステナビリティ経営の根幹となる「JT Group Materiality(マテリアリティ)」を改定し、「自然との共生」「お客様の期待を超える価値創造」「⼈財への投資と成長機会の提供」「責任あるサプライチェーンマネジメント」「良質なガバナンス」という5つの課題群を特定しています。

また、マテリアリティを踏まえた当社グループとしての具体的な目標および取り組みについて、全25項目からなる「JT Group Sustainability Targets(サステナビリティターゲット)」を策定いたしました。

JT Group Sustainability Targets詳細については、こちらPDFを開くをご覧ください。

JT Group Materiality: ステークホルダーからのコメント

マテリアリティマトリックスの策定とJT Group Materialityの特定において、さまざまな社内外のステークホルダーに参加いただき、意見をヒアリングさせていただきました。JT Group Materiality の特定について、寄せられた声を一部紹介します。

「サステナビリティの課題に取り組む、数多くの企業に対して提言・アドバイスを実施しています。マテリアリティの策定は、サステナビリティ課題の優先順位をつける入り口の大事なプロセスであり、中長期戦略や取り組みを左右する基礎となります。
我々はマテリアリティ策定後のレビューといった視点で関与させていただきましたが、JTグループの事業に関わる可否で限定することなく、あらゆる社会課題を一つひとつ確認し、社内外のステークホルダーの意見を丁寧にヒアリングしながら、JTグループが取り組むべき課題を真摯に受け止め、マテリアリティを策定されたことが見て取れました」

社外関係者

「耕作労働規範(Agricultural Labor Practices:ALP)は、葉たばこサプライチェーン管理における主要プログラムの一つであり、葉たばこサプライチェーン・デュー・ディリジェンスにとって不可欠です。2012年にスタートした同プログラムでは、葉たばこ農家における児童労働の撤廃、労働者の権利改善、労働安全衛生についてのガイダンスを規定しています。2015年にはALPの適用を葉たばこサプライヤーに拡大し、継続的な学びとステークホルダーとのエンゲージメントを通じて、葉たばこサプライチェーン・デュー・ディリジェンスの一部へと進化してきました。「2025年までにすべての調達国でALPを導入する」を目標としており、目標達成に向けての歩みを続けています。買収を通じてグループ傘下に入ったバングラデシュやエチオピアといった葉たばこ調達国において、ALPが完全に導入されたことは大きな進歩です。サプライチェーンの管理は、当初のマテリアリティ評価でも重要課題の一つとして位置付けていましたが、最新のマテリアリティ評価においても、葉たばこサプライチェーンは重要課題の一つとして特定しており、今後も取り組みをより一層強化していきます」

JTインターナショナル 葉たばこサプライチェーン・デュー・ディリジェンスDirector

「加工食品事業では、食を通じて、JT Group Purpose“心の豊かさを、もっと。”を実現するため、加工食品事業パーパス「食事をうれしく、食卓をたのしく。」を定めました。このパーパスを事業運営の拠り所とし、すべての同僚やお客様をはじめ、さまざまなステークホルダーの皆様とともに、食に関する社会課題と向き合いながら、我々ならではの食の価値を提供し続けることを目指したいと思っています。今回改めて特定された5つのマテリアリティは、その実践のための重要な道標であり、マテリアリティをもとに、我々の取り組みをより一層進化させてまいります」

JT 加工食品事業 食品事業企画室 次長

「更新のプロセスを進めていく中で、改めて自然や社会と人の暮らしや企業の活動の関係性を深く考えさせられました。その中で、それらの持続性を高めていくためには、“私たち”を、JTグループのみならず、ステークホルダーの皆様も一緒になった“私たち”で取り組んでいく必要性を強く感じています。そのため、マテリアリティは策定して終わりではなく、今後もさまざまなステークホルダーの皆様と対話を積み重ね、ともに取り組みを加速させていきたいと考えております。また、取り組み自体を適切にモニタリングし、社会環境や事業環境の変化も捉えていくことで、“私たち”のマテリアリティとして柔軟に更新していければとも考えております」

JTサステナビリティマネジメント部 濱田 (マテリアリティ策定プロジェクト・プロジェクトリーダー)

サステナビリティ検討会

JT グループのサステナビリティ課題を議論する場として、2020年から定期的にサステナビリティ検討会を開催しています。CSOを議長とし、JTグループの各事業・コーポレート部門の責任者が参加しています。2023年には3回開催し、マテリアリティの改定を踏まえたJT Group Sustainability Targetsの策定、GHG排出量削減についての取り組みと目標に対する進捗、人権尊重の取り組みとガバナンス、事業ごとのサステナビリティ課題、CSRD、ステークホルダーエンゲージメントといった課題やテーマについて、議論と情報共有の場を設けました。なお、検討会で議論された内容は、適宜社長および取締役に報告しています。

サステナビリティの取り組み:2023年度の進捗

JT Group Sustainability Targetsに対する2023年実績は以下の通りです。なお、2023年実績については「JTグループ環境計画2030」および「各事業の中期取り組み目標」(旧KPI)を抜粋しています。新ターゲットについては2025年度(2024年実績)から報告を開始します。

2023年、JT Group Sustainability Targetsの進捗PDFを開く

旧KPIの2023年実績は以下の通りです(以下2023年実績は、従来の報告フォーマットを使用しています)。

2023年、JTグループ環境計画2030の進捗PDFを開く
2023年、たばこ事業における取り組み目標の進捗PDFを開く
2023年、医薬事業における取り組み目標の進捗PDFを開く
2023年、加工食品事業における取り組み目標の進捗PDFを開く

なお、上記実績については、取締役会に報告しています。

SDGsへの貢献

JTグループは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)及び当社事業や事業環境に関わるSDGsの目標を支持しており、事業活動を通じて、関連する以下の目標の実現に貢献してまいります。持続可能な事業への取り組みと、関連するSDGsの目標を特定しており、各事業が最も貢献できるのは、次の9つのSDGsです。

SDGsへの貢献
SDGsへの貢献

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