JT with Farmers #08
良い葉たばこをつくることは、良い社会をつくること
2023/9/13
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JTが目指すサステナビリティの一つに、たばこ産業全体の持続可能性を探り、それを未来につなげていくことがあります。その実現のために、欠かすことのできないパートナーが葉たばこ農家です。本特集「JT with Farmers」では、葉たばこ農家の、農業に対する想いやチャレンジなどを紹介していきます。
そして今回は国内を飛び出し、アフリカ・マラウイ共和国での取り組みや、その実態を紹介しています。前編では経済や葉たばこ農家との取り組みにフォーカスしましたが、後編ではJTグループが取り組む社会的インフラの整備について、詳しく迫っていきます。
一人でも多くの子どもたちに教育の機会を! ARISEプログラムの挑戦
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農家の生産性を高めるだけでは、葉たばこ農業の持続可能性につながらないのが、マラウイの現状です。特に避けて通れないのが、この国が直面している児童労働の問題です。
マラウイは20歳未満が人口の半分以上を占め、いまも増え続けています。しかし、学校の不足や経済的な事情から、若くして働かざるを得ない子どもたちの数は全体の30%以上にのぼるというデータもあります。
一方、世界中のサプライチェーンの健全化を図るJTは、中核プログラムとして2011年にARISE(Achieving Reduction of Child Labor in Support of Education)を立ち上げました。葉たばこ耕作コミュニティにおける児童労働の防止および撲滅を目的としたこの教育サポートプログラムによって、全世界で6万5000人以上の子どもが学校に通えるようになりました。
ここマラウイでも全土で10棟の校舎をつくり、教育環境を改善。2021年からの2年間だけでも、およそ480人の子どもたちが入学することができました。前回登場した葉たばこ農家のウィラード・キマンゲニさんも、ARISEプログラムの恩恵を受けている一人です。
「私の娘は11歳で、ARISEプログラムで建てられた小学校に通っています。私も妻も、子どもたちを葉たばこ農業に巻き込まないように、常に注意深く考えています。だから、学校があるのはとてもありがたいことです」
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子どもたちの笑顔と学びが、国を変える
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たくさんの子どもたちが人懐っこい笑顔と歓声で迎えてくれます。ここは、ウィラードさんのお子さんが通うSauzawana Primary School。JTグループは、この小学校で新たな校舎を2つ新設しました。
「以前は、校舎数が足りなかったことから、屋外で授業を受けていた生徒も多くいました。そのため、雨季になると授業を受けられずに家に帰ってしまう生徒もいました」
そう話すのは、この学校で教師を務めるサミュエルさん。
「でも、JTグループが新校舎をつくってから状況は一変しました。机や椅子などの設備も充実していき、これまでさまざまな理由で教育を受ける事のできなかった多くの子どもたちも通うようになりました。新校舎ができた2014年には、前年に比べて約200%も入学生徒が増えたんですよ」
JTグループは学校をつくるだけでなく、教師に対しても児童労働防止に関する啓発を行っており、長い時間をかけながら、ステークホルダーの理解促進と、教育の大切さを浸透させていっています。
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サミュエルさんは、2010年から教師に。「日々、子どもたちから元気をもらっています」
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「教育を受けた子どもたちは“Better Life”(より良い人生)を送ることができるでしょう。私自身、子どもたちからとてもエネルギーをもらっています。これからも多くの子どもたちと交流していきたいですね」
真剣な眼差しで授業を受けている子どもたち。サミュエルさんの言葉通り、彼ら彼女らが素晴らしい人生を歩み、マラウイをきっと豊かにしてくれるーーそんな期待を抱かずにはいられません。
そして、マラウイの明るい未来にたばこ産業が貢献できるよう、私たちは取り組みを続けていきます。
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ひとの幸せのために、サステナブルな事業を
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学校以外にも、JTグループでは社会の持続可能性につながるさまざまな設備への投資を行っています。たとえば、20基のソーラー発電式の採水機をつくり、新たな農業用水を提供することで、葉たばこだけでない多様な農作物栽培を可能にしています。また、約130基の井戸を新たに掘り、清潔で安全な水環境も整備。さらに、16か所の診療所を設立し、これにより最大8万人が安定的な医療を受けられるようになりました。
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JTグループが開設した診療所「Sauzawana Health Post」
こうした活動の根底にあるのは、葉たばこを育てる農家も、その地域に住む人々も、たばこを愉しむ喫煙者も、「みんなの心が豊かになり、日々の幸せを感じられる社会をつくりたい」というJTグループの想いです。
持続可能な葉たばこ栽培を通して、持続可能な社会を実現する。
ここマラウイでたくさんの“Warm Heart of Africa”に触れ、 “ひと”を軸にしたサステナブルな取り組みを続けていく大切さを、改めて感じました。
今回のサステナブルなポイント「教育機会を平等に」
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学校があることが、児童労働を防ぐ一因に
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子どもたちの教育が、国の未来をつくる
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インフラの整備と葉たばこ農業はつながっている
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「マラウイ湖」
マラウイの国土のおよそ1/5を占めるマラウイ湖。面積は約2万9600 km2で、琵琶湖の40倍以上の大きさを誇る。豊かな生態系を持ち、文中にあった「チャンボ」をはじめ、多様な淡水魚が生息している。また、湖の周辺には美しいビーチやリゾート地も広がっており、ダイビングスポットとして、観光地として人気がある。マラウイの象徴であるこの湖で、悠久の大地アフリカの歴史と文化に思いを致したい。