環境マネジメント

JTグループでは、国際規格(ISO 14001・ISO 50001)*に準拠して、環境およびエネルギーマネジメントシステムを構築しています。また、小規模な事業所に対しては、JTグリーンシステム(簡易型環境マネジメントシステム)を適用することで、一貫した取り組みを推進しています。

ISO 14001は企業に対し、自社の企業活動にとどまらず、バリューチェーン全体にわたる視点で環境問題を捉えることを求めています。エネルギーマネジメントについてはISO 50001に基づいた取り組みを進め、継続的改善を図っています。

また私たちは、環境およびエネルギーマネジメントシステムの効率化を進めるとともに、このシステムを品質管理、労働安全衛生、事業継続など、その他の経営上の重要課題に関わる仕組みに組み込んでいくことを目指しています。

JTグループでは、こうした私たちの取り組みや成果を客観的に評価するため、CDPやDow Jones Sustainability Indices (DJSI)等、外部の評価機関を活用しています。

ISO 14001認証

JTグループでは、重要な環境課題を管理し、リスクを緩和し、機会を最大限に活用するための環境マネジメントシステムの枠組みとして、ISO 14001を用いています。紙巻たばこ製造工場とたばこ関連工場については、ISO 14001の認証を受けた工場の割合を経時的に把握するようにしています。認証取得の推移は環境負荷実績をご覧ください。

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ISO 14001とISO 50001はそれぞれ、環境マネジメントシステムとエネルギーマネジメントシステムの国際規格です。これらの規格は、企業に対し個別具体的な実施項目を定めたものではなく、継続的な環境負荷の軽減やエネルギー効率向上につながる効果的なマネジメントシステムを企業が構築するためのフレームワークを提供しています。

CDP2023最高評価「Aリスト」、
サプライヤー・エンゲージメント・リーダー2023に選定

国際的な環境情報開示のプラットフォームであるCDPより、気候変動と水セキュリティへの対応と戦略において優れた取り組みを行う企業として、2023年の評価において最高評価である「Aリスト」に選定されました。気候変動で6回目(5年連続)、水セキュリティで4回目の「Aリスト」選定となります。また、サプライヤーへの働きかけや協働による気候変動への取り組みについても高い評価を受け、最高評価の「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」に5年連続で選定されています。

妹川 久人

執行役員
Chief Sustainability Officer
(2024年1月末時点)

JTグループが気候変動と水セキュリティの分野において「CDP Aリスト」に選定されたことを大変嬉しく思います。気候変動においては5年連続でAリストに選定され、環境負荷の軽減に向けた不断の努力と透明性ある開示が、国際的に影響力のある調査において高く評価されていることを誇らしく思います。

2024年2月に公表したJT Group Sustainability Targetsでは、JT Group Materialityに紐づく具体的な目標および取り組みをターゲットとして設定しております。

JT Group Materialityにおける「自然との共生」においては、「温室効果ガス排出量の削減」や「責任ある水資源マネジメント」等のターゲットを掲げ、我々の活動が自然環境に与える影響の改善を通じて、自然と人や企業の健全な関係性を保全していくことを目指しております。

これからも、自然環境に対する責任を果たすことで、社会の持続的な発展に貢献し、ステークホルダーの皆様からの信頼に応えてまいります。

最新のCDP質問書への回答については、こちら別窓で開く(英語)からご覧ください。

環境に配慮した調達活動

環境に配慮した調達活動は、環境負荷の軽減に必要不可欠な取り組みです。たばこ事業では、この取り組みを推進するため、2020年6月にサステナビリティ調達部門を設けました。サステナビリティ調達部門は、サステナビリティ調達関連、特に容器包装などに関わる取り組みを推進し、JTグループのサステナビリティ戦略に掲げる目標達成に向けた活動を支援し、サステナビリティをテーマにサプライヤーと緊密に連携しています。

日本国内では、環境負荷が少ない製品及びサービス購入を推進するために「グリーン購入ガイドライン」を策定しています。このガイドラインには、環境にやさしい製品やサービスのリストが掲載されており、このリストに掲載された事務用品、OA機器、車両等を購入することで環境に配慮した調達活動が実践できる仕組みです。新たに調達可能となった製品やサービスの状況に基づいてガイドラインの定期的な見直しを行い、また購入実績等のモニタリングも行っています。

環境に配慮した調達活動とは、製品及びサービスの購入だけを指すものではありません。環境マネジメント及び環境負荷軽減には協力が欠かせないという考えのもと、私たちはサプライヤーと協業し、サプライヤーの環境負荷軽減にも取り組んでいます。たばこ事業のグローバルサプライチェーン管理部門では、主要なサステナビリティ調達テーマのひとつとしてエネルギー効率の改善を掲げています。また、事業活動に使用する車両の脱炭素化を推進し、事業や私的な移動にともなうGHG排出量を削減するため、2021年にはたばこ事業においてグリーンモビリティプログラムを立ち上げました。このプログラムへの理解を深めるため、グリーンモビリティ・ハンドブックを作成し、社内でコミュニケーションキャンペーンを展開しています。2022年には、GHG排出量が大きい主な材料品サプライヤーのリストアップ作業を完了しました。2023年には、これらのサプライヤーの気候変動対策に協力し、必要に応じてサプライヤーの気候変動管理プログラムの策定支援を行います。

環境教育システムと社内啓発活動

JTグループでは、環境課題に対する全従業員の理解向上を重要なテーマと考え、情報発信や啓発活動に取り組んでいます。毎年、研修や環境月間等、環境意識を高めるキャンペーンを行い、またイントラネットを通じて定期的な情報発信を行っています。

事業活動に由来する環境負荷の軽減を実現するために、事業拠点ごとに環境マネジメントを推進する管理責任者を任命しています。管理責任者はJTグループの環境マネジメントシステムに関する研修を受け、また関連法規についても知識を深めます。より高度な研修プログラムも開発し、内部監査や環境データの報告担当者が参加することで業務遂行に必要な知識を習得できる仕組みを整えています。

JTグループでは、グループの環境マネジメントシステムが機能していることを、事業部門から独立した内部監査員が、監査プロセスを通じて検証しています。

環境問題や持続可能性への取り組みに対する意識をさらに高めるために、「Sustainability Awards」や「Sustainability Days」という社内イベントを定期的に実施しています。

その他、GHG排出量や自然資源、廃棄物に関する勉強会など、グローバル共通で、あるいは国ごとに、さまざまなアクティビティやイベントを開催しています。

現在は、サステナビリティ関連の情報発信強化や、サステナビリティに関わる事項に対する従業員の意識とエンゲージメントの向上に力を入れています。

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