まずは試合の流れと見どころを
押さえよう!
基本的な試合進行を押さえておけば、観戦時に戸惑うことはありません!
バレーボールは試合の流れがとてもはっきりしているスポーツ。1つのファインプレーがきっかけで連続得点したり、1つのちょっとしたミスから連続失点したり……、ということを選手は何度も経験しています。
試合は長くなると2時間を超えることもありますが、選手・スタッフは勝利に向けて全力で戦っています。ここでは、主要な国際大会・国内大会で採用されている試合進行ルールをご紹介します。
ここが知りたい! 試合進行Q&A
勝敗はどうやって決まるの?
試合は、サーブ権に関係なく得点が入るラリーポイント制で行われます。
1セットは25点先取で、3セット先取の5セットマッチ(一部の大会では3セットマッチ)。第5セットは15点先取です。24-24(第5セットは、14-14)となったときはジュースとなり、2点差がつくまで上限なく続けます。
あと1点を取ればそのセットを取れるときの得点をセットポイント(ジュースではない場合は24点のとき)、あと1点を取ればその試合に勝利するときの得点をマッチポイント(ジュースではない場合の第3、4セットでは24点、第5セットでは14点のとき)と呼びます。
コートチェンジって何?
1セット終わる毎に、コートの場所を交代するのがコートチェンジです。その際、監督や控えメンバーがいるベンチも入れ替わります。
5セットマッチの第5セットでは、どちらかのチームが8点を取ったときにコートチェンジをします。3セットマッチの第3セットでは、どちらかのチームが13点を取ったときにコートチェンジをします。
このような最終セットのコートチェンジは、セット中に行われる唯一のもので、直後に試合の流れが変わることも珍しくなく、観戦時の見どころの一つです。
選手交代はどうやって行われるの?
ベンチ入りできる選手は最大14人で、13~14人のときはリベロを2人、12人以下のときはリベロを1人まで登録することができます。スターティングメンバーは6人です。
1セットのうち、メンバーチェンジは6回できます。交代で一度コートを出た選手は再度コートに戻ることができますが、同じ選手との交代になります(同じセットの間は、1回のみ)。ただし、リベロにはこの制限はなく、ワンプレーを空ければ、後衛のどの選手とも交代することができます。
「サイドアウト」ってよく聞くけれど、どういうもの?
サーブ権を持たないチームが得点し、サーブ権が移動することをサイドアウトと言います。相手に連続得点を与えないためには、サイドアウトを取ることが大切です。
バレーボールでは、サーブ権を持たないチーム(サーブレシーブをするチーム)が最初の攻撃を仕掛けられることから、サイドアウトを交互に取り合っているうちは点差は広がりません。逆に、サーブ権を持つチームが相手の攻撃をしのぎ、得点をすることをブレイクと呼び、これで試合の流れが大きく動くことも珍しくありません。
タイムアウトの取り方は?
タイムアウトには2種類あります。
1つ目はテクニカルタイムアウトといい、どちらかのチームが8点及び16点を先取した時点で自動的に1分間のタイムアウトが与えられます。2つ目はチャージドタイムアウトといい、監督かゲームキャプテンからの要求で1セットに2回まで、30秒間のタイムアウトを得ることができます。
5セットマッチの場合、第5セットはテクニカルタイムアウトはなく、チャージドタイムアウトを2回まで取ることができます。なお、チャージドタイムアウトは、相手のよい流れを断ち切る目的で自チームが連続失点をしたときに要求することが多いです。
ローテーションの順番が知りたい!
6人制バレーボールでは、コートを6カ所のポジションに分けます。
ネットからアタックラインの間の3カ所を前衛(フロント)、アタックラインとエンドラインの間の3カ所を後衛(バック)と呼び、それぞれを、左、中、右の3カ所に分けて、6カ所となります。
試合では、サーブ権が移るたびに、右回りに1つずつ場所を移動し、後衛の右側に位置する選手が、相手にサーブ権が移動するまでサーブを打ちます。サーブが打たれた後は、選手は自分の役割に応じたポジションに移動してプレーします。
試合前、選手たちはどんなことをしているの?
試合の直前に両チームとも公式練習を行います。公式練習は、選手のその日の調子をうかがうことができたり、まだ試合にあまり出ていない若手選手のプレーを見ることもできる貴重な機会です。
テレビではあまり放送されることがないため、会場で試合観戦するときの醍醐味の一つです。
セット間のお楽しみとは?
セットとセットの間をハーフタイムといいますが、このとき選手は着替えたり、次のセットの準備をしたりしています。その間、選手に代わって会場を湧かせるイベントが行われることがあります。
チームのチアリーダーによるパフォーマンスや試合会場がある地域の伝統的な催し、また、チームのマスコットが登場することも。ハーフタイムもコートから目が離せません!
審判の役割について教えて!
主審、副審、線審、記録員が審判と呼ばれる人たちです。
主審はネット横に設置されている審判台の上で試合を進行し、最大の権限を持ちます。副審は、主審の補助的な役割の他に、選手交代やタイムアウトの許可などのベンチコントロールも行います。線審はラインジャッジとも呼ばれ、コートのエンドラインとサイドラインの延長線上に1人ずつ立つため、全部で4人います。担当している線上のイン・アウトの判定を主に行います。
スコアラー(記録員)とアシスタントスコアラーは、サーブ順や選手交代のコントロール、公式記録の作成をします。審判ではありませんが、コートを拭くモッパー、ボールをサーバーに渡すボール・リトリバーも試合を進行する上で欠かせない役割を果たしています。