Ploom TECH+の
デバイス開発

従来の加熱式たばこよりも強い味・香り、そして、吸い応えを実現

Key Word
#デバイス開発
#吸い応え
#JTオリジナルの技術知見

Ploom TECH +のデバイス開発プロジェクト

昨今、急激に市場が拡大している加熱式たばこ。JTグループはPloom TECH+という加熱式用デバイスを2019年に発売しました。このPloom TECH+にはJTオリジナルの自社開発技術を採用し、JT R&Dグループの主力商品の一つとなっています。

Ploom TECH+は、カートリッジに封入された液体(リキッド)を専用のデバイスで加熱し、発生した蒸気をたばこカプセル(たばこ葉を詰めたカプセル)に通すことで発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を嗜むたばこ製品です。たばこカプセルには、たばこ葉や香料を加工した香味成分が含まれ、JTグループが長年にわたって蓄積したたばこ関連技術を応用してつくられています。

一方、紙巻たばことまったく異なる電気機器であるデバイスの開発は、JT R&Dグループにとって“初めての連続”。まさに、探索と試行錯誤の日々の中から生まれた賜物でした。

PROJECT MEMBER

プロジェクトメンバー

  • 製品開発

    水口 一真Kazuma Mizuguchi

    加熱式たばこ専用デバイスの電気設計およびデバイス開発に関連する新規要素技術の開発に従事。本プロジェクトではデバイスの電気設計を担当。

  • 製品開発

    藤倉 大史Hirofumi Fujikura

    加熱式たばこ専用カートリッジの製品開発およびメンテナンスに従事。本プロジェクトでは関連部所やサプライヤーとの調整担当。

  • 製品開発

    松田 健太郎Kentaro Matsuda

    加熱式たばこ専用デバイスの機構設計およびデバイス開発に関連する新規要素技術の開発に従事。本プロジェクトでは主にカートリッジ部分の設計とデバイスの機構設計を担当。

PROJECT STORY

プロジェクトストーリー

01.背景

従来の加熱式たばこよりも強い味・香り、そして、吸い応えを。

カートリッジ内のリキッドを蒸気に変え、その蒸気が専用のたばこカプセルを通過することで発生するたばこベイパーを愉しむ加熱式たばこ。たばこ葉を火で燃やす紙巻たばこと違い、加熱式たばこは低温での加熱となるため、香味成分が出にくいという特徴があります。
そのため、加熱式たばこの開発においては味・香り、そして、吸い応えをどう強化するかが重要なポイントになります。味・香り、吸い応えを向上させる取り組みは、JTグループが加熱式たばこの基礎研究を始めた数十年前から、さまざまなアプローチを図りながら連綿と続けられてきました。

これまでの研究をさらに進め、より満足のいく吸い応えをプラスしたPloom TECH+をいち早く製品化するというミッションを掲げて新製品の開発プロジェクトを発足したのです。開発メンバーが注力した重要課題はもちろん、味・香り、そして、吸い応え。課題を解決するには、味・香りの特徴を形づくり、吸い応えの風合いを決定づけるカートリッジと、たばこベイパーの量に大きく寄与するデバイスのさらなる改良が求められました。
Ploom TECH+以前に発売したJTの加熱式たばこよりも強い味・香り、そして吸い応えを限られた期間内で実現し、一刻も早くお客様にお届けすることがプロジェクトのゴールでした。

02.アプローチ

吸い応えの向上のために必要なものは?

デバイス開発の観点から吸い応えを向上させるために必要なものは何か?そのひとつは、ベイパーの量です。たばこ葉由来成分を含んだたばこベイパーの量を増やすためには温度を上げる必要があり、そのためには、それに見合った電力をヒーターに供給することが必要になるのです。

使用回数を保ちつつ、吸い応えを強くするためにベイパーの量を増やすと、電池容量を少し大きくする必要が生じます。つまり、電池のサイズもそれなりに大きくなってしまうのです。Ploom TECH+の開発テーマの一つに使用感を向上させるための小型化も挙げられていたので、電池のサイズを大きくすることは苦渋の決断でもありました。
必要最低限のサイズアップで収めつつ、他の削れる空間は可能なかぎり削り、製品体積内になるべく効率よく配置するという工夫を考え抜き、専門家が所属する部所と連携し、協力を仰ぎ、設計、試作、評価を幾度も繰り返しながら、最適な形を探り出していきました。

また、ベイパーの量や吸引回数を確保するには、カートリッジに封入する液体の量も増えることになります。電池と同様、製品体積内に収めるためにカートリッジを細長くしたり、寸胴にしたりと、試作を重ねながら最適なバランスを見出し、Ploom TECH+を完成に導いていったのです。

03.成果

プロジェクトで得られた開発者の経験は、JTグループ全体の知見に。

JTグループはPloom TECH+のような低温加熱型の領域の製品づくりを追求しています。Ploom TECH+のデバイス開発プロジェクトが成功したことによって、JTグループ独自の知見はさらに蓄積されました。実際、2021年2月に販売エリアを全国に広げた新製品Ploom TECH+withには、このプロジェクトで開発されたPloom TECH+と同じカートリッジが採用されています。
このように、JTグループ独自のプラットフォームが完成されると、開発期間を短縮し、よりよい新製品を早くお客様に届けることができるのです。まさに今回はそれを具現化する、汎用性の高いカートリッジの開発に成功したのです。

また、プロジェクトメンバーの多くが自分自身にとっての学びや気づきがあったと語ります。
「さまざまな部所の専門知識を備えた研究開発員と交流を図りながら仕事を進めることで、自分自身の知見が広がりました。社員同士の関係性も構築でき、今後の開発や製品メンテナンスにおいても、より正確に、よりスピーディに、仕事を進めることができそうです。」
汎用性を担保したJTグループ独自の製品を完成させたという、今回のプロジェクトを通じた貴重な経験は、JTグループ全体の経験としても蓄積されました。これからの新製品の開発の大きな礎となるのは間違いないでしょう。

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