全国初の「光学迷彩型喫煙所」、期間限定でうめきた外庭SQUAREに誕生
仕掛学を活用した喫煙所の実証実験がスタート
~大阪大学大学院 松村真宏教授と協業し、喫煙マナー向上を目指す~

2022/12/26

JTは、たばこを吸う人のマナー向上の取り組みの一環として、2022年12月24日(土)に、全国で初めて「仕掛学」を活用した「光学迷彩型喫煙所」をうめきた外庭SQUARE(大阪市北区)に設置しました。実証実験及び設置期間は2023年3月までとなります。

外装
             内装

仕掛学とは、大阪大学大学院経済学研究科 松村真宏教授が提唱する、人の行動を変える仕掛けを対象にした学問です。つい試してみたくなる仕掛けにより、問題解決につながる行動を誘発する仕組みを見つけ、新たな仕掛けを開発する研究分野です。

JTは2021年に松村教授と仕掛学を活用した喫煙所の喫煙マナー向上プロジェクトを始動し、新たな仕掛けの開発に取り組んでまいりました。
このたび、仕掛けによる効果を検証するため、2023年3月までの期間限定で光学迷彩型喫煙所を設置します。本喫煙所は、ステンレスミラーの柱を林立させることで光学迷彩のような視覚効果が生まれ、喫煙所が街の景観に溶け込むだけでなく、喫煙所に入ると人が消えるような不思議な仕掛けが施されています。周囲からの注目やミラーに映る自身の姿を通し、今まで以上に吸う人のマナー意識の向上効果を期待しています。

今後も、自治体や企業の協力を得ながら、街中への実装を目指します。本プロジェクトに加え、JTは、これからも各地域の抱える課題を把握し、喫煙所をはじめとした設備を活用し、地域課題の解決に寄与する施策を講じてまいります。

プロジェクトに関するコメント

大阪大学大学院経済学研究科 松村真宏教授

仕掛学を活用した喫煙所の喫煙マナー向上プロジェクトについては、JTと共に1年以上企画検討を行ってまいりました。このたび、光学迷彩型喫煙所の実装が実現し、その効果の検証ができることを嬉しく思います。
光学迷彩型喫煙所は被視感を高めることで社会に適応した行動が促される効果を期待しているものです。実装後、どのような効果や結果が出るか、また地域の皆さまからの反応も今から非常に楽しみにしています。
本件に限らず、今後も仕掛学の考えを活用した灰皿や喫煙場所を通じ、喫煙所におけるマナー向上だけでなく、ポイ捨てや路上喫煙といった社会問題の解決にも取り組んでいきたいと考えています。

大阪大学大学院経済学研究科 松村真宏教授 プロフィール

1975年大阪生まれ。大阪大学基礎工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。2004年より大阪大学大学院経済学研究科講師を務め、同大学院准教授を経て2017年7月より現職に。2004年にイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校客員研究員、2012~2013年にスタンフォード大学客員研究員も務める。著書に『仕掛学 人を動かすアイデアのつくり方』 『人を動かす「仕掛け」 あなたはもうシカケにかかっている』等。

仕掛学(しかけがく)について

人の行動を変える「仕掛け」を対象にした新しい学問分野です。「仕掛け」は行動変化を強制するのではなく、魅力的な行動の選択肢を増やすことで目的の行動に誘うアプローチをとります。例えば、ゴミ箱をただ設置するだけでなく、ゴミ箱の上にバスケットゴールを付けることで、ゴミでシュートしたくなり、結果的にゴミ捨て行動が促進されます。
松村教授は、さまざまな現場を対象にして実際に仕掛けを考案して製作し、実際の現場で実験し、効果の検証に取り組むことを通して、行動変容の理論と方法の構築に取り組んでいます。研究成果は主に仕掛学研究会で発表しています。

※ ご参考:
松村教授とJTによる仕掛学を活用した取り組み(*)
(*)「共存に向けた取り組み」コンテンツ内のページが開きます。

うめきた外庭SQUAREについて

「うめきた外庭SQUARE」は、“「みどり」のリビングラボ”をコンセプトに、地域や協力企業等とともに未来のまちづくりに向けた実証実験を展開する1,000日間限定(事業期間2023年3月まで)の屋外型の実証フィールドです。

※ ご参考:
「うめきた外庭SQUARE」での実証実験が本格始動(**)PDFを開くPDF:1.17mb
(**)『うめきた外庭SQUARE』サイト内のPDFファイルが開きます。