アリル炭化水素受容体モジュレーター「JTE-061(tapinarof)」の
アトピー性皮膚炎患者対象の国内第Ⅲ相臨床試験(比較試験)の速報結果について
2022/07/20
日本たばこ産業株式会社
鳥居薬品株式会社
日本たばこ産業株式会社(以下、「JT」)及びDermavant Sciences GmbHはアリル炭化水素受容体(AhR)モジュレーター(tapinarof)(以下、「JTE-061」)について、日本国内における皮膚疾患領域での独占的開発・商業化権に関する契約を締結し、それに伴い、JT及び鳥居薬品株式会社は日本国内における共同開発及び販売に関する契約を締結し、現在アトピー性皮膚炎患者及び尋常性乾癬患者を対象として開発中の段階にあります。
この度、日本国内で実施中の第Ⅲ相臨床試験のうち、アトピー性皮膚炎患者を対象とした比較試験の速報結果を得ましたのでお知らせいたします。
本試験は12歳以上のアトピー性皮膚炎患者を対象に、JTE-061クリームを8週間投与した際の有効性及び安全性について、基剤を対照とした二重盲検、無作為化、並行群間比較法により検討する試験です。今回得られた速報結果では、有効性の主要評価項目である投与開始日を基準とした投与8週時のIGA反応率1について、基剤に対するJTE-061クリームの優越性が確認されました。なお、有効性の重要な副次評価項目である投与開始日を基準とした投与8週時のEASI75達成率2についても、基剤に対してJTE-061クリームにて改善が認められました。また、JTE-061クリームの安全性について確認し、忍容性に関して特に大きな問題は認められませんでした。
今後、本試験と並行して実施中の他の臨床試験の成績等をもとに、日本国内における製造販売承認申請を目指します。
JTE-061については、日本国内において尋常性乾癬患者を対象とした第III相臨床試験及び2歳以上11歳以下のアトピー性皮膚炎を対象とした第II相臨床試験も実施中です。なお、米国においてtapinarofクリームは本年5月23日に尋常性乾癬の適応症で承認されています。
1.国内外のアトピー性皮膚炎の重症度評価として周知されている医師による皮膚病変の全般的な評価であるInvestigator’s Global Assessment (IGA)スコアが0(消失)又は1(ほぼ消失)で、かつ投与開始日から2段階以上改善した被験者の割合(IGA=0: 消失、1: ほぼ消失、2: 軽症、3: 中等症、4: 重症)
2. 国内外のアトピー性皮膚炎の重症度評価として周知されているEczema Area and Severity Index (EASI)スコアが75%以上改善した被験者の割合
<アトピー性皮膚炎について>
アトピー性皮膚炎は痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)です。その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって発症すると考えられています。
<尋常性乾癬について>
尋常性乾癬は、免疫反応の異常によって発症する全身性の慢性炎症性疾患です。銀白色の鱗屑に覆われた境界鮮明な紅斑が特徴です。
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