JTグループ、初の人権報告書を発行
「ビジネスと人権に関する国連指導原則」 (UNGP)発行10周年に合わせ、人権尊重へのコミットメントと取り組みを包括的に発信

2021/06/16

JTグループは、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」*1(UNGP)発行から10周年を迎えた2021年6月16日、JTグループにおける人権尊重へのコミットメント及びこれまでの取り組みを包括的にまとめた「JTグループ人権報告書別窓で開く」を英文で発行しました。これまでも当社グループでは人権尊重の取り組みに関する積極的な発信を行ってきましたが、人権に特化した報告書の発行は初めての試みです。

JTグループ人権報告書 表紙

当社グループにとって人権の尊重は、経営理念である「4Sモデル」に基づいた事業活動を行う上で不可欠な要素と考えており、サステナビリティ戦略における3つの基盤の一つに位置づけています。2016年には、UNGPに則ってJTグループ人権方針を策定し、これに基づきこれまでも様々な人権課題に積極的に取り組んできました。

今回発行した報告書ではこのような背景を踏まえ、JTグループの人権方針に基づいた人権デュー・ディリジェンスのアプローチや9つの顕著な人権課題(児童労働、強制労働、公正な賃金、差別、ハラスメント/ジェンダー、労働安全衛生、長時間労働、環境影響、健康リスク)を軸とした具体的な施策等について、UNGPレポーティングフレームワーク等に準拠しつつ包括的に整理・紹介しています。9つの顕著な人権課題については、JTグループの事業展開及び事業環境の変化に応じ2021年に外部専門家の知見も踏まえ改めて特定したものです。

例えば顕著な人権課題の一つである児童労働は、児童に労働を強いること、とりわけ教育機会を奪うことは容認されてはならないとの考えから、JTグループはこれまでも葉たばこ産地における児童労働の防止・撲滅に向けてARISE(Achieving Reduction of Child Labor in Support of Education)プログラムや、耕作労働規範(ALP)プログラム等を実施してきました。その概要についても、本報告書で紹介しています。

ARISEプログラムの様子


加えて、2020年以降、新型コロナウイルス感染拡⼤の影響が継続する中、JT グループは従業員やその家族、及び社外のステークホルダーの皆様の安全を最優先するとともに、新しい働き方に迅速かつ柔軟に対応しており、その内容についても言及しています。

JTグループは、全てのステークホルダーの人権を守りながら事業運営を行っていくことは、企業が社会的責任を果たし、持続的に発展していく上で極めて重要と認識しています。本報告書の発行を、これまでの取り組みの成果を振り返るとともに今後の課題をあらためて整理・認識する機会と位置付け、引き続き人権の尊重を含むサステナビリティへの取り組みを積極的に推進してまいります。
※1

「ビジネスと人権に関する国連指導原則」は、2011年に国連人権理事会によって承認されました。国家及び企業に対して、企業活動に関係する人権面での負の影響が発生するリスクの防止及び対処を求める権威ある国際規準となっています。


参考情報

■ 目次(報告書は英文、以下和訳)

第1章 イントロダクション
CEOメッセージ、JTグループ概要、サステナビリティ戦略、ガバナンス、気候変動への対応、COVID-19への対応、JTグループ人権への取り組みの進化、UNGPへの支持

第2章 JTグループにおけるビジネスと人権の取り組み
戦略概要、人権デュー・ディリジェンスのアプローチ、人権影響評価の実施概要、グループ内施策推進体制、顕著な人権課題の特定

第3章 JTグループの顕著な人権課題についての取り組み
児童労働、環境影響、公正な賃金、強制労働、ハラスメント、労働安全衛生、健康リスク、非差別と平等、労働時間

第4章 エンゲージメント
人権施策における協業とパートナーシップ、ステークホルダーエンゲージメント、救済措置、人権社内教育、人権関連法令への支持

第5章 2030年に向けて

■ JTグループ人権方針

「ビジネスと人権に関する国連指導原則」(UNGP)に則り、2016年に策定しました。JTグループの人権の尊重への考え方や、人権デュー・ディリジェンスの継続的な実施について記載しております。
https://www.jti.co.jp/sustainability/human_rights/index.html

■ JTグループ サステナビリティ戦略の3つの基盤