内部統制システム

リスクマネジメント体制

当社グループでは、当社グループに影響を及ぼす可能性があるリスクを明確化し、その動向を注視するとともに、当該リスクの顕在化防止、または仮に顕在化した際にその影響を最小限に抑えるための対策を講じています。

また、当社グループは、これらすべてのリスクを統合的に把握・管理できる体制を構築しており、リスクマネジメントプロセスは以下の4ステップから構成されます。当社グループは、中長期にわたる持続的な利益成長の実現に向けて、これらのリスクを適切に管理することにより、機会を適切に捉え、戦略的な事業展開につなげています。

①リスク特定

社長に指名されたリスクマネジメント推進責任者(現担当はコーポレート・ガバナンス ・コンプライアンス担当執行役員)は、当社グループに影響を及ぼす可能性があるすべてのリスクを把握します。

②リスク評価

各執行役員は、顕在化する可能性と顕在化した場合の影響度の観点から自部門のリスクを評価し、優先して対応すべき重要リスクを選定し、リスクマネジメント推進責任者に報告します。リスクマネジメント推進責任者は、それをもとに、グループの経営目標および事業戦略の達成に対して重大な損失を与える可能性がある当社グループの重要リスクを決定し、社長に報告します。

③リスク対応計画の策定

当社グループの重要リスクは、各執行役員が中心となってリスク対応計画を立案し、リスクマネジメント推進責任者および社長に報告されます。

④リスク対応計画のモニタリング

当社グループの重要リスクの対応計画の進捗状況は、各執行役員により、定期的にリスクマネジメント推進責任者および社長に報告されます。

当社は、有事に備え、危機管理および災害対策について対応マニュアルを定め、危機や災害の発生時には緊急プロジェクト体制を立ち上げ、経営トップの指揮のもと、関係部門および子会社との緊密な連携により、迅速・適切に対処することができる体制を整えております。また、対処した事案等とその内容については、適時適切に取締役会へ報告を行っています。

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コンプライアンス体制

コンプライアンス体制 図

当社は、取締役会において制定した規程に基づき、取締役および従業員が法令、定款および社会規範等を遵守した行動をとるための行動規範を定め、コンプライアンスの徹底を図っています。また、目指すべきコンプライアンス経営を実現するために、社長、副社長および外部専門家を構成員とするJTグループコンプライアンス委員会を設置しています。

JTグループコンプライアンス委員会は、2024年度から、JTグループ全体におけるコンプライアンスを統括・推進し、かつ、取締役会への説明責任を果たすための審議機関となり、社長、副社長および外部専門家を構成員とし、社長が委員長を務める体制に変更しております。また、執行役員コンプライアンス担当を定め法務・コンプライアンス統括部を所管させ、これにより当社グループ横断的な体制の整備・推進および問題点の把握に努めています。加えて、コーポレートおよび各事業内に設置する部門コンプライアンス委員会において自律的に自部門のコンプライアンスに関わる事項を審議します。JTグループコンプライアンス委員会は各部門コンプライアンス委員会からの報告を受け、JTグループ全体の取り組みを把握または審議の上、取締役会への十分な報告を行うことにより取締役会との接続を強化し、これをもってJTグループコンプライアンスの監督および推進の両面において充実および強化に努めることとしています。2023年度は当該年度におけるコンプライアンス体制のもと、JTグループコンプライアンス委員会を開催し、その開催回数は3回となっており、コンプライアンス推進に向けた取り組み等について議論を行い、その議論結果を各部門が策定する2024年度のコンプライアンス実践計画に反映いたしました。

当社および子会社の各コンプライアンス推進部門(当社においては法務・コンプライアンス統括部、子会社においてはそれに相当する部署等)は、各部署・各組織を通じて、各部門コンプライアンス行動規範を、当社の取締役および従業員ならびに子会社の取締役等および従業員(以下、取締役等および従業員を総称して「役職員」という)に周知するとともに、役職員を対象に各種研修等を通じて教育啓発活動を行うことによってコンプライアンスの実効性の向上に努めています。

コンプライアンス実践計画

各部門が策定するコンプライアンス実践計画には、コンプライアンス体制の維持と向上、コンプライアンス上の重点課題への対応、研修・セミナーの実施、内部通報制度の運営、コンプライアンス強調月間の実施などが含まれています。

コンプライアンスアンケートの実施

コンプライアンスの実践状況を確認するために、JTでは、グループ会社も対象とし、コンプライアンスアンケートを毎年実施しており、2023年度のアンケートへの回答率は96.7%でした。アンケート結果は取締役・従業員に報告され、関係部署はこの結果を用いて、それぞれのコンプライアンス計画について評価・改善策の策定・実行を行っています。

内部通報体制

内部通報体制については、当社および子会社は、その役職員等が法令違反の疑義がある行為等を発見した場合に備え、相談・通報窓口を設置しています。相談・通報を受けた各コンプライアンス推進部門はその内容を調査し、必要な措置を講ずるとともに、再発防止策を実施することとしています。また、当社は、法務・コンプライアンス統括部が対応する相談・通報窓口とは別に、当社監査役が対応する、業務執行ラインから独立性を有した相談・通報窓口を設置しています。相談・通報を受けた当社監査役はその内容を調査し、当社は必要な措置および再発防止策を実施します。当社は、当社グループに係る重要な問題については部門コンプライアンス委員会およびJTグループコンプライアンス委員会に付議し、審議を求め、または報告することとしています。

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品質管理体制

当社グループでは、各事業において品質保証体制を定め、引き続き信頼される製品の提供に向けて取り組んでいます。

たばこ事業

たばこ製品の品質保証については、グローバル共通の品質保証体系を構築し、これに基づいて必要な体制を整備し、高品質な製品の提供に向けて取り組んでいます。

市場からの品質情報と関連する調査に基づき、抽出した課題を関係部署にフィードバックすることで、不具合への対応や品質の改善を図る活動を基本に、例えば開発段階においても、法令遵守に加え外部の専門機関による評価を必要に応じて行うことで、電気製品の業界標準に基づくRRP(Reduced-Risk Products)デバイスの製品安全適合性を確認しています。

また2022年1月には、たばこ事業運営体制の強化に伴い、たばこ事業の各マーケットや、その他オペレーション機能から独立した組織として、「Quality Assurance」を新設しました。Quality Assuranceは、お客様*の立場に立った公正な判断に基づき、研究開発、調達、製造、マーケティング、流通・販売に至るまでのバリューチェーン全体にわたる品質保証活動の説明責任を果たすことで、高品質な製品の提供に努めています。

医薬事業

医薬品の品質・安全性は、薬機法や省令などの諸規制のもと確保されており、当社でもこれらに則り、厳正に安全性や品質管理を徹底しています。

加工食品事業

加工食品の品質保証・安全管理については、「フードセーフティ」「フードディフェンス」「フードクオリティ」「フードコミュニケーション」の4つの視点にて、原料の調達からお客様に製品をお届けするまで、食の安全管理に万全を期した事業運営を行っています。

*

喫煙可能な成人のお客様を意味します。なお、喫煙可能年齢は、各国の法令により異なります。日本では20歳未満の方による喫煙は、法律で禁じられています

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情報セキュリティ体制

当社グループでは、情報セキュリティに対する取り組み姿勢を明確にするとともに、情報セキュリティ対策を網羅的かつ継続的に推進するために情報セキュリティに関する規程を整備しています。具体的には、「JTグループITガバナンスポリシー」ならびに「JTグループ情報セキュリティ標準」を定め、アクセス制限、コンピュータウイルス対策、教育、監査、モニタリングなどITリスク対策に必要な対応を規定、実行しており、当社グループが保有するシステムやデータ等の情報資産の適切な管理・保護に努めています。また、当社グループは、ハード・ソフト両面から情報セキュリティ強化に取り組み、ハード面では、サプライヤーへの依頼を含めた重要システムのセキュリティに関する技術・運用上の点検と改善を継続的に実施しています。ソフト面では、すべての従業員が情報資産を適切に取り扱うために、社内で開発した情報セキュリティ啓発プログラム「i-SECURE」を世界各国に展開しています。i-SECUREで展開するさまざまなプログラムの中でも、eラーニングの受講率はJTグループ全体で88%となりました。また本活動は定期的な効果測定を行い、従業員の情報セキュリティに対する意識の向上に寄与することを確認しています。

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内部監査体制

社長直属の組織として監査部を設置し、業務執行組織から独立した、客観的な視点から内部監査を行っています。監査部は、事業活動の全般にわたる管理・運営の制度および業務の遂行状況を合法性と合理性の観点から検討・評価し、会社財産の保全および経営効率性の向上を図っています。また、その責務を全うするため、当社グループのすべての活動、記録および従業員に対して制限なく閲覧、聴取等を行うことができる権限を有しています。

毎年、内部監査計画は社長の承認により決定され、監査部長は、内部監査の結果について社長に対する報告義務を負うとともに、取締役会への報告を行っています。また、監査部長は、当社およびグループ会社の経営者と、内部監査の結果、内部統制の状況、リスク認識に関して、定期的かつ自由に協議することができます。

グループ各社は、各社の判断により内部監査組織を設置しており、JTI、TSネットワーク、鳥居薬品、テーブルマークといった主要なグループ会社は内部監査組織を有しています。各社において社長または取締役会は内部監査計画を承認し、また監査実績の報告を受けます。当社監査部はグループ各社の内部監査組織と連携を図っており、グループ各社の年度内部監査計画、内部監査実績については当社監査部を通じてグループCEOである社長および当社取締役会に報告されます。さらに内部監査の効率性・実効性を高めるため、内部監査組織間の情報の共有、品質の向上を目的に定期的に会議・打ち合わせ等を行い、必要に応じて協働監査や監査業務支援も実施しています。

JT Internationalに対する内部統制体制

事業運営を行うJTIの持株会社にあたるJT International Holding B.V.の取締役に、当社(以下、JT)からも過半数以上の取締役等が選任され、たばこ事業全体の戦略の意思決定を行っています。また、JTとJTIの間の重要な決裁権限と決裁手続きについては責任権限規程等において定めており、事業運営の機動性確保の観点からJTIに対して一定の権限委譲を行いつつも、JTIが策定した予算・中期計画、および一定額を超える投資事案等について適宜、JTにて承認を行うなど、子会社ガバナンスの確保に努めております。JTI内においては、JTI Operating Guidelineという責任権限規程を定めており、JTから授権された範囲において、JTI内の各マーケットならびに工場、およびJTIの各担当執行役員へと権限委譲をしています。

また、監査役および監査部はJTIに対する監査権を有しており、監査役は適宜JTIへの監査を実施しています。JTIの内部監査はJTI監査部が実施していますが、JTとJTIが協力して進めている業務領域についてはJTの監査部がJTI監査部と連携を図りながら、監査を実施しています。JTIの監査部による監査結果は、JT International Holding B.V.取締役会へ報告が行われています。

これらによって適切なガバナンス体制が構築されています。

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