バレーボールがつなぐ人と人――選手がファンに伝えたいこと

この記事を書いた人

ゆみ

こころノート編集部

バイタリティあふれる若手社員。流行に敏感で、人の話を聞くことが好き。また、前時代的な慣習や価値観には疑問を持つ一面も。好奇心旺盛でたくさんの情報をキャッチするので、仕事でよくキャパオーバーになり、先輩二人に助けてもらっている。

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バレーボールの面白さ。その理由が知りたい!

 

2024年10月から大同生命SV.LEAGUE(以下、SV.LEAGUE)に出場の大阪マーヴェラス。世界最高峰のバレーボールリーグを目指すこのリーグで初代女王となるべく、毎週末試合に挑んでいます。こころノート編集部も、以前広島サンダーズの選手を取材して以来、バレーボール部の戦況が気になっていつもソワソワ……。

 

社内では、2024年のパリオリンピックに大阪マーヴェラスの選手が出場したこともあって、バレーへの注目度も高い様子。観戦した同僚も多く、皆「面白かった!」と報告してくれるので、その理由をもっと知りたくなった私は、選手本人に話を聞いてみよう!と思い、本拠地のJTバレーボール部体育館に行ってきました。

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タイトル獲得数が物語る、“マーヴェラス”なチーム

 

大阪マーヴェラスの創部は1956年。SV.LEAGUEの前身であるV.LEAGUEだけでも3度優勝するなど、何度もタイトルを獲得しているチームです。若手からベテランまで、17人の選手が所属し、現在に至るまで、複数の選手が日本代表登録メンバーに選出されています。

 

「マーヴェラス」とは、素晴らしい・奇跡的という意味なのですが、その名の通り奇跡的で素晴らしいプレーで勝利をつかみ取り、今シーズンもリーグ優勝を狙っています!

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人と人をつなぐバレーの魅力を感じてほしい

 

2024年のパリオリンピックでも活躍した、副主将の林 琴奈選手にお話を伺いました。

 
ゆみ: 2024年から始まるSV.LEAGUEですが、会場の盛り上がりは毎年どのように感じていらっしゃいますか?
 
林選手: 自分の名前を呼ぶ声が聞こえたり、ユニフォームを着ている方が目に入ったりすると、応援されている実感が湧いてきて素直にうれしいです。特に、ホームゲームは地元の方の応援が熱く、会場入りした時から元気が出ます。SV.LEAGUEになってホームでの試合数が増えたことで、自分を奮い立たせてくれる人たちの存在をより強く意識するようにもなりましたね。そうやって会場に来てくださる方には、試合を観に来てよかったと心の底から思ってほしいので、毎試合全力でプレーする姿をお見せしたいと思っています。
ゆみ: 応援が力になっているんですね!でも開催期間自体も1~2カ月長くなりましたし、緊張や不調で全力を出すことが難しい時もありますよね……?
 
林選手: そうですね。体やメンタルの調子は日によって違いますね。実はオリンピックでも、1点を争う場面でサーブを打つ時は手が震えるほど緊張していましたし……。ただ、自分がどういう状態であっても、試合で100%の力を出すためには、練習の時から100%の力を出し切るしかないなと思っています。気持ちの整え方も含めて自分をコントロールする力は練習でしか身に付かないことなので。
ゆみ: 練習も妥協せず本気で取り組むことが気持ちのトレーニングにもつながるのですね。練習や試合以外の場面で意識していることはありますか?
 
林選手: 選手同士が何でも言い合える関係性であることが大事だと思っているので、普段からとにかくいろいろなメンバーと話すようにしています。試合中に選手同士が会話できる時間は限られていて、例えば対戦相手がサーブを打つまでの数秒間くらい。その間に「次はこうしてほしい」という要望をお互いがはっきり伝え合わないと、息の合ったコンビプレーも、崩れたときのカバーも、うまくできなくなってしまいます。
 

それこそ日本代表のチームは、日本中からさまざまなチームの選手が集まるので、結成当初はなんとなくぎこちなさを感じる時も。でも、例えば国際試合を何度も経験している先輩から声を掛けてもらったり、遠征先のホテルで同部屋になった選手と語り合ったり……。そうやって会話を重ねていくと、雰囲気が変わるのが目に見えて分かるんですよね。

 

こういう経験をチームに還元することも自分の役目なのかなと。大阪マーヴェラスでは後輩の選手が多いですし、率先して会話をするようにしていますね。試合に負けた日は、同じ副主将の塩出選手や主将の田中選手とすぐ3人で集まって改善点を話し合いますし、オフの時も若手の選手を見つけると、「昨日のお笑い番組観た?」なんてたわいもないことで話し掛けてしまいます(笑)。

ゆみ: チームの強みである「全員バレー」は、日々のコミュニケーションが土台になっているんですね。
 
林選手: そうですね。バレーはボールだけでなく「人と人をつなぐ」競技だと思うんです。自分がどんなに苦しくても、次にボールを触る選手のために、ここまでやろう、あと一歩手を伸ばそうと思う気持ちがプレーに表れてくるのかなって。だから誰かのためにとっさに体が動くような関係性を築くことって、すごく大事なことだと思っています。
ゆみ: 「人と人をつなぐ競技」って素敵な言葉ですね! 具体的には、どのようなところがバレーの魅力だと思いますか?
 
林選手: 何度も粘り強くボールを拾うラリーは、女子バレーの面白さの一つだと思います。私自身もレシーブを得意としていますし、私たちが必死にボールに食らいつく姿を通じて、熱意や執念、しんどいけど楽しいとか……、ラリー中に感じている気持ちをファンの皆さんとも共有できたらうれしいですね。そのためにも私たち選手は、ボールを追うのを諦めてはいけないし、苦しい場面でも決して下を向いてはいけないと思うんです。
 
私にとって、ファンの皆さんは戦友。私も大阪マーヴェラスも一緒に戦いたいと思ってもらえる存在であり続けたいので、これからも全力プレーを見せていきます。その結果、試合を観た方が受験や仕事、部活などに対して「自分も負けない・がんばろう」と思ってくれたら、私たちがバレーをやっている意味があるのかなと思います。
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バレーを観戦したらきっと心は動く

 

林選手がおっしゃった通り、バレーボールは単なる球技の枠を超えて、心と心をつなぐ競技なんだと思いました。林選手のように、誠心誠意ファンや仲間と向き合い全力を尽くす姿が、試合を観戦した皆さんの心を動かすんですね。

 

大阪マーヴェラスは、2025年5月に行われるチャンピオンシップ進出を目指し、現在リーグ戦の真っ最中。私も共に戦う仲間として、試合会場で声援を送りたいと思います!(2024年9月時点情報)

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担当社員の
ひとことプロフィール

林 琴奈選手。大阪マーヴェラス所属、副主将・アウトサイドヒッター。心の豊かさを感じるのは、チームメンバーや家族と食事をする時間。クイズ番組の問題を解き合ったり、ドラマの感想を言い合ったりする、何気ないひとときが幸せ。

※プロフィール掲載内容は2024年9月の取材当時のものです
※一部2024年9月に撮影した写真を含みます

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