2024年度決勝戦
対局結果
決勝戦 (関東大会)
106手にて渡辺九段の勝利
開催日:11月24日(日)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟4・5ホール
渡辺 明九段
広瀬章人九段
- タイトル・段位は対局時点のものです。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・森内九段の講評
対局前の両者のコメントでは、渡辺九段は「(『JT杯』の思い出は)何年か前になりますが、持将棋指し直しになったことでしょうか。広瀬九段は終盤が得意で、そこで逆転されて結構やられています。
決勝は一番大きな会場で大勢の前で指すことになります。面白い将棋をお見せできるよう精一杯頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
一方の広瀬九段は「(『JT杯』の思い出は)やはり先日の藤井JT杯覇者との準決勝の一戦になりますね。渡辺九段は手が見えますし、作戦家でもあります。
決勝は5年前に渡辺九段と戦って以来になりますが、大勢のファンの前で戦いますので、頑張りたいと思います」 と抱負を語った。
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が4枚で広瀬九段の先手と決まる。
後手は△4四歩と角交換を拒否して雁木模様に進行。角交換後、先手は59手目▲5六角と打って攻めに期待するが、渡辺九段は82手目△3三金~△4四金とその角を狙いに行く順を選択。
▲先手に▲2二飛成を許すものの、94手目△4三角が攻防の一手となり、そのまま押し切り「JTプロ公式戦」4回目の優勝を遂げた。
大盤解説の森内九段の講評は以下の通り。
後手が角交換を避けて、力戦になりました。両者とも手作りの難しい将棋です。
51手目▲4五歩~▲5五銀~▲4四歩のあたりは先手ペースかなと見てましたが、76手目△8一飛の手渡しがうまかったでしょうか。そこで▲6七銀でなく例えば▲7九玉の早逃げならどうだったか。
渡辺九段は82手目△3三金~△4四金と出たのがうまい決断でした。先手玉にプレッシャーをかけて、広瀬九段の失着(91手目▲7六玉)を誘いました。
▲8八玉だったらをまだまだ難しかったと思います。直後の△4三角が攻防の一着で勝ちを決めた一手になりました。30秒将棋はトップ棋士でも大変なんです。
勝利棋士・渡辺九段のコメント
対局前々日のトークイベントでの広瀬九段の「好きな戦法は相掛かりです」という言葉を信じたら、当てが外れました(笑)。途中難しい将棋になり、後手番なので先手の手に対応できるようにどう待つかがポイントでした。
本譜は△7五歩が先に入ったので、誘われている感じはしましたが82手目△3三金から攻めました。時間がないので比較することができませんし。94手目△4三角を発見できたのが勝因でしょうか。
5年ぶりの「JT杯」優勝となりましたが、他の棋戦でも優勝していません。その間コロナとかいろいろありましたが、数字以上に長かったという気がしています。
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで106手で後手の勝ち
消費時間=10分10分