2024年度準決勝第二局
対局概要
準決勝第二局 (東海大会)
137手にて広瀬九段の勝利
開催日:11月2日(土)
会場:Aichi Sky Expo 展示ホールD
藤井聡太JT杯覇者
広瀬章人九段
勝者の広瀬九段 は、11月24日(日)に行われる「決勝戦」で渡辺九段と対局!!
- タイトル・段位は2024年5月10日時点のものです。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・斎藤八段の講評
対局前の両者のコメントでは、藤井JT杯覇者は「セントレア(中部国際空港)はプロになってから使うことが多いのですが、会場のAichi Sky Expoは初めてです。とても広いという印象です。
広瀬九段は終盤の切れ味があり、また序盤の工夫も見られます。早指しの対局ですので十分気をつけて臨みたいと思います。先手後手は当日の振り駒で決まるので、意識しすぎないようにしています」と意気込みを語った。
一方の広瀬九段は「早指しはあまり得意とは言えません。でも数少ないチャンスですので、ここは頑張りたい。藤井JT杯覇者は安定感が際立ってきた気がします。最前線の戦いをしながらですから素晴らしいです。
明日は決断良く指すこと、準備してきたことを出せるようにしたい。公開対局ですので、スリリングな将棋をお見せしたいと思います」 と抱負を語った
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が4枚で広瀬九段の先手と決まる。
相掛かり。先手が横歩を取り、後手が1筋を詰める展開は広瀬九段の作戦どおり。先手の61手目▲6五同銀の踏み込みに、後手は飛車と金桂の二枚替えの進行となり、やや先手優勢に。
83手目▲6一龍が厳しい中、藤井JT杯覇者はひたひたと先手玉に迫る。最後、広瀬九段は119手目▲3四歩が決断の一手で、藤井玉を即詰みに討ち取り、5年ぶり2回目の決勝進出を決めた。
大盤解説の斎藤八段の講評は以下の通り。
相掛かりから先手が▲3四飛と横歩を取った代わりに、1筋を詰められる形は、広瀬九段の研究手順だと思います。
後手は58手目△9四歩と端攻めを見せてきました。香が入ると△2六香の狙いです。
それに対し、広瀬九段は▲6五桂△同歩に▲同銀と踏み込みました。次に▲5四銀△同銀▲7二角の筋です。それに対する△8五飛から飛車と金桂の二枚替えの進行を、藤井JT杯覇者は悔やんでいました。
77手目▲7九香が好手で、金を使わせたことによって▲6一龍の攻めが厳しいのです。攻めが細くなった後手ですが、いろいろ手を尽くして攻めをつないできます。
最終盤、広瀬九段の119手目▲3四歩が決断の一手で勝ちを決めました。スリリングな戦いは観客の方も満足していただけたのではないでしょうか。
勝利棋士・広瀬九段のコメント
こちらが横歩を取ったら、こういう展開になるかなという手順になりました。後手は角を手放しているかわりに、1筋を詰めましたが、互角くらいだろうという感触です。
9筋の端攻めを見せられて、61手目▲6五同銀は行くしかありません。その後飛車と金桂の二枚替えになって、悪くないと思いました。77手目▲7九香で後手に金を使わせたので、▲6一龍に受けがないんです。
しかしそこは藤井JT杯覇者ですから、いろいろと手をつないできます。迫られて気持ち悪い中、119手目▲3四歩が決断の一手で勝つことができました。
決勝は5年前と同じく渡辺九段が相手です。対藤井戦のことばかり考えていたので、決勝のことはこれから考えます(笑)
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで000手で後手の勝ち
消費時間=10分10分