2024年度準決勝第一局
対局結果
準決勝第一局 (大阪大会)
139手にて渡辺九段の勝利
開催日:10月12日(土)
会場:Asueアリーナ大阪 メインアリーナ
渡辺 明九段
稲葉 陽八段
勝者の渡辺九段は、11月24日(日)に行われる「決勝戦」で準決勝第二局勝者と対局!!
- タイトル・段位は対局時点のものです。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・北浜八段の講評
対局前の両者のコメントでは、渡辺九段は「一番持ち時間が少ない棋戦なので、テンポよく指すことが重要です。稲葉八段とは対戦は結構あるのですが、ほとんどが相居飛車です。
最近はいろんな戦型を指されていますので、どういう作戦で来られるのか用心しないといけません。昨年は準決勝でやられているので、ここを勝って決勝に出ることを目指したい。集中して頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
一方の稲葉八段は「持ち時間が短いので、急所を見極めて、考慮時間を有効に使う必要があります。渡辺九段は大局感がよく、序盤の研究も深く、大変な相手です。
大阪大会は地元の将棋イベントで知り合った方も大勢見に来られると思いますので、いい将棋をお見せできるように頑張りたいですね。準決勝とかを意識せずに、目の前の対局に臨むつもりです」と抱負を語った。
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が3枚で渡辺九段の先手と決まる。
後手の稲葉八段は△9五歩の突き越しを生かして、飛車を9筋から出して三間飛車に。先手は位取りから後手の飛車を圧迫、▲6六角の自陣角から稲葉玉を攻める。
しかし稲葉八段は94手目△7四玉以降、粘り強い指し回しで逆転し、そのまま勝ち切ったかと思われた。投了一手前の△5九龍が敗着で、▲2四飛で稲葉玉がとん死。急転直下で渡辺九段が決勝進出を決めた。
大盤解説の北浜八段の講評は以下の通り。
端から飛車を出す戦法はたまにあるのですが、本譜の△3三金△3五歩型から三間飛車にするのは初めて見ました。それに対し、先手の渡辺九段は6、7、8筋の位を取って、稲葉八段の飛車を圧迫して、局面を優勢に進めます。
ところが、93手目▲6五桂に対する△7四玉が稲葉八段の勝負手で、見事に渡辺九段の動揺を誘いました。渡辺九段が決め手を見つけられずに形勢が逆転。稲葉八段の快勝譜で終わるかと思われましたが、最後にドラマがありました。
136手目△6六角に▲7七桂と受けたのが恐ろしい狙いの一手で、この手は▲2四飛△3四金▲5三銀打△5四玉▲3四飛△4四歩▲6五金までの詰みを見ていたのです。
稲葉八段がその詰みを防げばゲームセットだったのですが…。将棋は恐ろしいゲームですね。
勝利棋士・渡辺九段のコメント
△3三金△3五歩の形の三間飛車は初めて見ました。本譜は無難に進めた感じで、途中千日手模様のところも、もちろんこちらは千日手にするわけはなく、いかにして有利な形に持ち込もうかという時間稼ぎです。
94手目△7四玉は危なく見えるだけに指されて正直動揺しました。
以下▲7六金△6四歩▲7五金△6三玉▲7四銀△6二玉▲6四金と押し込む順が見えませんでした。桂損の展開になり、負けにしてしまったところを最後のとん死に救われた格好です。
決勝は久しぶりですが、今日の内容ではどうにもならないので、早指しの練習を積んで本番に臨みたいと思います。
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで139手で先手の勝ち
消費時間=10分10分