2024年度二回戦第三局

対局結果

二回戦第三局​ (熊本大会)

159手にて広瀬九段の勝利

開催日:9月14日(土)
会場:グランメッセ熊本 展示ホールC・D​

丸山忠久九段

広瀬章人九段

大盤解説:畠山 鎮 八段 聞き手:竹部さゆり 女流四段 読み上げ:藤井奈々 女流初段

勝者の広瀬九段は、11月2日(土)に行われる「準決勝第二局」で二回戦第四局勝者と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・畠山八段の講評

対局前の両者のコメントでは、丸山九段は「熊本は昔修学旅行で来たことがあります。熊本城とか阿蘇山とか。

広瀬九段は終盤の切れ味がすごいという印象です。『JTプロ公式戦』は公開対局で、良い手を指すと『おおー』というお客さんの反応があったり(笑)。

そこは、励みになります。多くの人に見てもらっての対局ですので、集中して熱のこもった戦いを見てもらいたいと思います」と意気込みを語った。

一方の広瀬九段は「熊本は大学生の頃、レンタカーを借りて回ったことがあります。玉名市での将棋合宿にも2回ほど来ています。

丸山九段は大学の先輩で、得意戦法を極めているという印象があります。同じ出だしからちょっとずつ工夫を加えてこられます。

『JTプロ公式戦』では過去1回だけ決勝まで行きましたが、1局でも多く指せるように頑張りたいと思います」と抱負を語った。

振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が4枚で丸山九段の先手と決まる。

予想どおり角換わり腰掛け銀に進行したが、65手で千日手が成立。先後を入れ替えた指し直し局もやはり角換わり腰掛け銀に。

先手の広瀬九段が43手目▲4五桂で開戦し、先手▲5六角、後手△4四角で対抗する展開。攻め合いが続く中、丸山九段が徐々に優勢になるが、見落としがあり逆転。広瀬九段が辛くも逃げ切って準決勝進出を決めた。

大盤解説の畠山八段の講評は以下の通り。

とにかくすごい将棋でした。予想通りの角換わり腰掛け銀は、早い段階で千日手になりました。先手の丸山九段に何か誤算があったのかもしれません。

指し直し局も当然角換わり腰掛け銀です。先手の広瀬九段が43手目▲4五桂と仕掛けましたが、丸山九段が先手の攻めをうまくいなして優勢気味に進行しました。

感想戦で丸山九段は「途中勝っていたと思ったのですが、どこかで△6七銀でしたか」と言ってましたが、△1七角成のあたりは優勢を自認していて、やや手に迷いがあったのではないでしょうか。

先手は苦しい中、▲1六角で退路をふさいでから、眠っていた馬を7四~8四~6六と活用できて、形勢逆転につなげました。丸山九段も最後まで詰みを狙って、終盤もハラハラドキドキの展開でした。力のこもった大熱戦だったと思います。

勝利棋士・広瀬九段のコメント

指し直し局の▲4五桂からの仕掛けは研究していた手順です。銀桂交換からの63手目▲2六桂に期待していたのですが、具体的に成果が上げられなかったので、忙しくなってしまいました。

108手目△4四歩と指されてみると、あまり思わしい局面ではありません。ただ形勢が苦しい中、粘り強く指すことができたのが良かったのでしょうか。

眠っていた馬を129手目▲6六馬とした局面で、勝負になったのは御の字という感じです。最後も逃げ方を間違えると詰みという手順が続きましたが、ギリギリ逃れていて幸いしました。「1局でも多く」という目標を達成できてうれしいですね。

次の準決勝は相手もまだ決まっていませんが、どちらが来ても強敵です。いい勝負ができるよう頑張りたいと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜(指し直し局)

広瀬九段
丸山九段
(持ち時間各10分間)

まで000手で先手の勝ち

消費時間=10分10分

棋譜(千日手局)

丸山九段
広瀬九段
(持ち時間各10分間)

まで000手で千日手

消費時間=10分10分