2024年度二回戦第二局
対局結果
二回戦第二局 (中国大会)
88手にて渡辺 明 九段の勝利
開催日:8月31日(土)
会場:広島サンプラザホール
※ 台風の影響により、無観客での実施に変更となりました。
渡辺 明九段
豊島将之九段
勝者の渡辺九段は、10月12日(土)に行われる「準決勝第一局」で稲葉八段と対局!!
- タイトル・段位は対局時点のものです。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・山崎八段の講評
対局前の両者のコメントでは、渡辺九段は「『JTプロ公式戦』は持ち時間の短さだったり、封じ手があったりとか、特殊な棋戦ですので、初戦の難しさはあると思っています。豊島九段にはこの棋戦では負けているので、あまりいいイメージがありません(笑)。
台風の影響で無観客試合になってしまい、来場予定だった方は残念でしょうが、生放送で見ることができますので、最後までスリリングな対局をお見せできるよう頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
一方の豊島九段は「『JTプロ公式戦』は公開対局で行うのが特長で、お客さんの目の前で指す緊張感を自身の励みにしているのですが、無観客試合で会場の雰囲気は変わっているのでしょうね。
渡辺九段は序盤中盤といろいろな作戦を用意している棋士です。序盤からそこにうまく対応すること、決断よく指すことが重要だと思っています。将棋ファンのみなさんには中継を楽しんでいただけたらと思います」 と抱負を語った。
振り駒はと金が3枚で豊島九段の先手と決まる。
予想通り相掛かりとなるが、お互い角換わり腰掛け銀に合流したような局面に。48手目△6五歩から開戦し、そこから激しい攻め合いに突入。先手は桂損の代償に敵陣に馬を作るが、先に桂得した後手の攻めが止まらない。
両者一歩も引かない攻め合いとなるが、44手目に突いた△2四歩が後手玉の懐を広げる展開となり、渡辺九段が勝利。準決勝進出を決めた。
大盤解説の山崎八段の講評は以下の通り。
相掛かりとなりました。最初はスローペースで、どこから仕掛けるんだろう、千日手もあるのかなという将棋だったように思います。
44手目△2四歩は以前タイトル戦で藤井聡太JT杯覇者が指した手で、当時は「こんな手があるのか」と言われた手ですが、歩を突いておくことで、先手の飛車の威力を緩和している意味があるんです。
感想戦で「▲4五桂と跳ねるタイミングが早かったかも」という豊島九段の発言がありましたが、先手は桂損の代償を馬作りに求めたために、後手に先攻される展開になってしまったのが誤算だったのではないでしょうか。
本譜は△2四歩と突いた手が生きました。渡辺九段の快勝譜だったと思います。
勝利棋士・渡辺九段のコメント
序盤で失敗してしまい、組み上がった時点で2手損くらいになってしまって(笑)。44手目△2四歩は今はわりと指されることもある手です。
こちらから48手目△6五歩と仕掛けましたが、後手番なので千日手でもいいかという気楽な感じが良かったのかもしれません。
▲4五桂と攻めてくれたので桂得になり、いずれ取り返されるにしても先行できる展開になりました。
(62手目△7七桂成に対し▲8二馬はの問いに)それは△8八角▲6九玉△7八成桂▲同玉△9九角成でダメでしょう。
本譜は△2四歩が生きる展開になって幸いしました。次は準決勝ですが、ここまで来たら決勝目指して頑張りたいと思います。
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで88手で後手の勝ち
消費時間=10分10分