2024年度二回戦第一局

対局結果

二回戦第一局​ (福岡大会)

147手にて稲葉八段の勝利

開催日:8月3日(土)
会場:福岡国際センター​

永瀬拓矢九段

稲葉 陽八段

大盤解説:豊川孝弘 七段 聞き手:室田伊緒 女流三段 読み上げ:川又咲紀 女流初段

勝者の稲葉八段は、10月12日(土)に行われる「準決勝第一局」で二回戦第二局勝者と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・豊川七段の講評

対局前の両者のコメントでは、永瀬九段は「今年の『JTプロ公式戦』の初戦ですので、指してみないとわからないところはあります。公開対局という普段と違う環境で指すので緊張感がありますし、持ち時間が短いので瞬発力や決断力が求められます。

(一回戦を勝ち上がった)稲葉八段は充実しています。みなさんに楽しんでもらえるよう全力を尽くしたいと思います」と意気込みを語った。

一方の稲葉八段は、「『JTプロ公式戦』は出場するのが大変な棋戦です。公開対局の臨場感を感じていただけたらと思います。(一回戦伊藤匠叡王に勝利した件を尋ねられ)一回戦も強敵でしたが、永瀬九段も強敵です。

というかこの棋戦は強敵しかいません(笑)。自分の力を発揮していい勝負をお見せできるよう頑張りたいですね」と抱負を語った。
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が4枚で稲葉八段の先手と決まる。

稲葉八段は1筋の突き越しから▲1六飛とし、序盤早々飛車交換となる珍しい戦いに誘導。その後お互い飛車を打ち合い空中戦のような展開に。何度目かの飛車交換の後、75手目▲2一飛の打ち込みから稲葉八段がリード。

永瀬九段は持ち前の粘り腰で応戦し、評価値が一瞬逆転する局面もあったが、最後は稲葉八段が乱戦を制し、準決勝一番乗りを決めた。

大盤解説の豊川七段の講評は以下の通り。

稲葉八段が準備してきた作戦でしたね。先手が▲1六歩~▲1五歩~▲9六歩の出だしですから、もしかしたらと思いましたが観客の前ではっきりとは言えないんです。

交換した飛車をまた打ち合ったりして、途中は昔の空中戦のような将棋になりました。75手目▲2一飛の打ち込みが厳しい手で、稲葉八段が優勢になりました。

ただ永瀬九段の粘りがすごい。118手目△3一歩で後手玉が一瞬見えなくなってしまって、先手も嫌な感じがしたんじゃないでしょうか。▲3五香とか何か決め手があったかもしれませんが、時間もないですからね。よく勝ち切ったと思います。面白い将棋でした。

勝利棋士・稲葉八段のコメント

今日の作戦は先手番になったらこれで行こうと用意していたものです。以前にも後手番で1筋を突き越して▲1四飛から石田流を目指す将棋を指したことがあるんです。かなり前ですが。

途中空中戦のような戦いになりましたが、こちらが誘導してそうなっているので気楽でしたね。75手目▲2一飛は、この手で大丈夫ならという手ですが、永瀬九段に嫌らしく指されて、途中は逆転されているかもしれません。

悪い流れになりそうな中、我ながらよく踏みとどまれたと思います。次は大阪での対局になります。応援してくれる人が見に来てくれると思いますので、いい将棋を指したいと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

稲葉八段
永瀬九段
(持ち時間各10分間)

まで147手で先手の勝ち

消費時間=10分10分