2024年度一回戦第二局
対局結果
一回戦第二局 (四国大会)
148手にて豊島九段の勝利
開催日:7月13日(土)
会場:サンメッセ香川 大展示場
豊島将之九段
糸谷哲郎八段
勝者の豊島九段は、8月31日(土)に行われる「二回戦第二局」でシード棋士の渡辺 明 九段と対局!!
- タイトル・段位は対局時点のものです。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・村山八段の講評
対局前の両者のコメントでは、豊島九段「『JTプロ公式戦』は出場するのが大変なので、ここまで回数を重ねてこれたことはうれしいですね。この棋戦で初めて優勝したことが、その後のタイトル獲得などのきっかけになったと思っています。
糸谷八段は早指しが得意ですし、前回負かされています。持ち時間が短いですので決断を早くして、序盤から集中して臨まないといけません。どちらが勝つのかわからないような熱戦になるように頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
一方の糸谷八段「『JTプロ公式戦』は7回目の出場ですが、毎回ギリギリで出場にこぎつけている状況です(笑)。豊島九段とはこどもの頃からの付き合いです。お互い20数年も経ってこうしてこの舞台で戦うことができるのをとてもうれしく思います。
今回高松は初めて来たんですが、こどもたちに『将棋って面白いな』と思ってもらえるような、独創的な将棋を指して、楽しんでいただければと思います」と抱負を語った。
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が5枚で糸谷八段の先手と決まる。
先手の糸谷八段は▲6六歩で角筋を止め、予想された相雁木の進行に。封じ手を境に先手は8筋、後手は1筋を取り込む攻め合いになるが、この土俵は糸谷八段の経験値が勝ったか。
しかし豊島九段は△4四角から再び1筋に狙いをつけて先手の飛車を攻める。後手の方針が分かりやすくなり、形勢逆転。118手目△4五桂打が厳しく、粘る糸谷玉を最後は即詰みに討ち取って二回戦進出を決めた。
大盤解説の村山八段の講評は以下の通り。
相雁木の展開は想定されたとおりでしたが、そこからどうするかというのが現在の相雁木の課題なんです。
糸谷八段は後手の端攻めに対し、▲2四桂からの切り返しで馬を作って優勢に進めます。ここまでは糸谷八段の経験値が勝っていた感じがします。
豊島九段の90手目△4四角がさすがの構想でした。▲1九飛と回って受けさせて、その飛車を小駒で攻める狙いです。後手の指し手がわかりやすくなって急に好調な流れになりました。
糸谷八段は「95手目▲8三香成に代えて、▲4六歩△1八歩▲同飛△8七歩成▲4五歩△6六角▲6七歩でしたか」という感想がありましたが、とにかく難しい中盤の続く熱戦だったと思います。118手目△4五桂打以下の攻めが厳しく、勝負あったという感じです。
勝利棋士・豊島九段のコメント
相雁木になることは予想していました。去年の『JTプロ公式戦』でもやられていますし。こちらは封じ手のあたり(△1二香~△1一飛)は素直に指しすぎたかもしれません。
糸谷八段には盤面全体を見通す力があります。▲1三角成とされた局面では少し苦しくしたかなと思っていました。粘り強く指そうと△4四角から先手の飛車をいじめる展開にしたのが功を奏したでしょうか。
△1八歩成や△8七歩成で、こちらの手が分かりやすくなって好転を感じました。まずは初戦を突破してホッとしています。次は渡辺 明九段と強敵ですが、また鍛え直して頑張りたいと思います。
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで148手で後手の勝ち
消費時間=10分10分