2023年度決勝戦

対局結果

決勝戦 (関東大会)

149手にて
藤井JT杯覇者の勝利

開催日:11月19日(日)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟2・3ホール

藤井聡太JT杯覇者

糸谷哲郎八段

大盤解説:佐藤康光 九段 聞き手:安食総子 女流二段 読み上げ:飯野 愛 女流初段
  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・佐藤九段の講評

対局前の両者のコメントでは、藤井JT杯覇者は「棋士としてこの棋戦に出場できるのは幸せなことだと思っています。『JTプロ公式戦』で一番の思い出は初めての対局です。

結果は敗れてしまったのですが、出場できてすごくうれしかったことを覚えています。決勝の糸谷八段は早指し早見えで、厳しい戦いになると思っています。最後まで面白い将棋をお見せできるよう頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

一方の糸谷八段は「『JTプロ公式戦』の特長の一つは多くのファンの前で将棋が指せることです。その意味で中国大会(広島)に出場したことが一番の思い出です。

その将棋は負けてしまいましたが、地元で指せたことがうれしかったですね。決勝は今回初めてですし、相手が藤井JT杯覇者と強敵ではありますが、面白い将棋を指して勝利を目指したいと思います」と抱負を語った。

振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が5枚で藤井JT杯覇者の先手と決まる。

後手の糸谷八段は準決勝で使った戦法を再び採用。藤井JT杯覇者が先攻するも、糸谷八段にうまく対応され混戦に。

何が最善手なのかの判断も難しい難解な形勢の中、お互い手を探す大熱戦となる。最後は藤井JT杯覇者が糸谷八段の中段玉を受けなしに追い込んで、「JTプロ公式戦」連覇を達成した。

大盤解説の佐藤九段の講評は以下の通り。

糸谷八段は準決勝の渡辺明九段戦で使った作戦を再び採用してきました。受けに自信がある糸谷八段でないと指しこなせないような戦法で、後手陣の急所が見えにくい。藤井JT杯覇者の仕掛けに糸谷八段がうまく対応して、微差ながら後手の流れになりました。

中盤は難しい局面が延々と続きました。お互い30秒将棋だからキツイです。106手目△5九銀が、どうだったでしょうか。その手を逆用されてしまい、121手目▲3九飛が決め手になりました。決勝戦にふさわしい大熱戦で、お互いの特長が存分に発揮された将棋だったと思います。

勝利棋士・藤井JT杯覇者のコメント

糸谷八段の注文で△3三金型の変わった将棋になりました。55手目▲4六角で仕掛けたのですが、糸谷八段にうまく切り返されました。

82手目△4五飛では△4五金を読んでいたので。形勢がやや苦しいので粘り強く指す展開になりましたが、それが結果的に幸いした感じでしょうか。「JTプロ公式戦」は公式戦の中で一番持ち時間の短い棋戦で、最初の頃はなかなか結果が出ませんでした。経験を積んでいく中で徐々に慣れてきたというのはあると思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

藤井JT杯覇者
糸谷八段
(持ち時間各10分間)

まで手で先手の勝ち

消費時間=10分10分