2023年度二回戦第三局

対局結果

二回戦第三局 (四国大会)

141手にて渡辺九段の勝利

開催日:9月16日(土)
会場:サンメッセ香川 大展示場

渡辺 明九段

佐藤天彦九段

大盤解説:畠山 鎮 八段 聞き手:村田智穂 女流二段 読み上げ:長谷川優貴 女流二段

勝者の渡辺九段は、11月3日(金・祝)に行われる「準決勝第二局」で二回戦第四局勝者と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・畠山八段の講評

対局前の両者のコメントでは、渡辺九段は「この『JTプロ公式戦』は持ち時間も短いですし、封じ手もあったりと普段の対局と違うので、集中力を高めて臨みたいですね。

佐藤九段とは付き合いも長いし対局も多いので、お互いのことはわかっているつもりですが、この棋戦では初めてということなので、新鮮な気持ちで臨めるかなと。しっかりコンディションを整えて明日を迎えようと思います」と意気込みを語った。

一方の佐藤九段は「『JTプロ公式戦』は公開対局なので、見ている方に楽しんでもらおうと血が騒いでくるところがあるんです(笑)。

渡辺九段には十代の頃からお世話になっていますが、相手のクセとかを見抜くセンスが一流です。ですので、そこをずらして相手の研究にハマらないようにしたい。明日は良い将棋を指して、楽しんでいただきたいと思います」と抱負を語った。

振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が3枚で渡辺九段の先手と決まる。

後手の佐藤九段は意表の三間飛車を採用。お互い穴熊に組む相穴熊の戦いとなる。

封じ手以降、先手は▲4五桂~▲5九飛と好調な捌きを見せ、局面をリード。後手の佐藤九段は先手陣をはがしにかかるも、手堅い指し回しで渡辺九段がそのまま押し切って準決勝進出を決めた。11月3日東海大会で豊島将之九段対糸谷哲郎八段の勝者と対戦する。

大盤解説の畠山八段の講評は以下の通り。

佐藤九段は意表の三間飛車でした。渡辺九段も予想していなかったようでしたが、佐藤九段も不慣れな感じで、機敏な仕掛けで渡辺九段がリードしました。

感想戦で佐藤九段が「53手目▲5五歩は△同銀と取るんだった」という話がありました。▲5五歩△同銀▲4五桂△3三桂▲5六歩△4四銀▲2四飛△4五桂▲2一飛成△8四角▲1一龍が一例です。後手は穴熊らしく先手の金銀をはがしにかかりますが、91手目▲5八龍と引かれてみると、先手の駒得が生きる展開になりました。

渡辺九段は先受けして自陣に手を入れて、盤石の指し回しです。渡辺九段の快勝だったのではないでしょうか。

勝利棋士・渡辺九段のコメント

さすがに三間飛車は意表でした。流行っている形を真似しながら手順を進めたという感じです。

後手の角が3三のままだとわりと嫌なんですが、指し手が難しかったんでしょう。△5一角と引いてくれたので、▲5五歩を「えいっ」とやってみました。▲4五桂~▲5九飛が実現して気分のいい展開になりました。こちらとすれば跳ねた桂がひと仕事してくれればいいので。

優勢になってからは、食いつかれる手(まさかの千日手とか)を警戒して手堅く指しました。▲8八銀打や▲8九桂と手を入れたのがそれです。
まずは初戦を突破して良かったです。次は相手が決まってからまた考えます。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

渡辺九段
佐藤九段
(持ち時間各10分間)

まで手で先手の勝ち

消費時間=10分10分