2023年度一回戦第四局

対局結果

一回戦第四局 (福岡大会)

159手にて糸谷八段の勝利

開催日:8月5日(土)
会場:福岡国際センター

広瀬章人八段

糸谷哲郎八段

大盤解説:深浦康市 九段 聞き手:室谷由紀 女流三段 読み上げ:小高佐季子 女流初段

勝者の糸谷八段は、9月23日(土・祝)に行われる「二回戦第四局」でシード棋士の豊島将之九段と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・深浦九段の講評

対局前の両者のコメントでは、広瀬八段は「『JTプロ公式戦』は2年ぶりの出場になります。ですので公開対局も久しぶりです。普段の対局とは違った中で、自分の力を出し切ることが大事だと思っています。

糸谷八段は早見え早指しで、どんなことをしてくるかわからないところがあります。その場で対応できるように準備したいと思います」と意気込みを語った。

一方の糸谷八段は「たまたまですが『JTプロ公式戦』福岡大会は3年連続の出場になります。広瀬八段は人格者ですが、将棋では痛い目に遭わされています。

なんとかここで一番返したいと思っています。公開対局という場ですので、『将棋は何でもあり』というところをお見せしたい。将棋の面白さを伝えられたらと思っています」と抱負を語った。

振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が5枚で糸谷八段の先手と決まる。

先手の糸谷八段が▲6六歩と角道を止めて角換わりを避け、両者相雁木の先後同形でしばらく進行。中盤の押し引きが続く中、後手△8六歩の飛車先交換が波乱を呼ぶことに。

▲8五桂打から飛車を捕獲して駒得になった先手が優勢に。後手も手を尽くすが差は縮まらず糸谷八段が二回戦進出を決めた。

大盤解説の深浦九段の講評は以下の通り。

先手の糸谷八段が▲6六歩で角換わりを拒否して、両者雁木模様という珍しい将棋になりました。狙いのわかりにくい将棋で、どこがポイントなのかもよくわかりません(笑)。それこそが糸谷八段が練ってきた構想なのかもしれません。

対局前、広瀬八段を苦手にしているという話をしていましたから、独自の研究手順に誘い込んだのでしょう。感想戦で広瀬八段は73手目▲8五桂打をうっかりしたという発言がありました。

右側で桂交換したのが生きているんです。飛車銀交換の駒損になってからは、広瀬八段をもってしてもちょっと届きませんでした。糸谷ワールド全開の一局だったと言えるのではないでしょうか。

勝利棋士・糸谷八段のコメント

こちら相雁木になりましたが、最近同じような将棋を指してるんです。【※大橋貴洸七段戦(7月27日・B級1組順位戦)、佐々木勇気八段戦(7月31日・王将戦)の2局。】

そこで手ごたえを感じた部分もあって、それをブラッシュアップして臨んだのが本局です。私しか知らないというアドバンテージがあります。57手目▲9八香には次に▲9九飛の狙いがあります。

後手はつい△8六歩と来たと思いますが、73手目▲8五桂打が狙いの一手で、飛車を捕獲して少し良くなったと思います。作戦を練った結果が出て正直ホッとしています。次も強敵(豊島九段)ですが、また面白い将棋を指したいと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

糸谷八段
広瀬八段
(持ち時間各10分間)

まで手で先手の勝ち

消費時間=10分10分