2023年度一回戦第一局

対局結果

一回戦第一局 (東北大会)

109手にて山崎八段の勝利

開催日:7月1日(土)
会場:夢メッセみやぎ 展示ホールA・B

羽生善治九段

山崎隆之八段

大盤解説:森内俊之 九段 聞き手:本田小百合 女流三段 読み上げ:高浜愛子 女流1級

勝者の山崎八段は、8月19日(土)に行われる「二回戦第一局」でシード棋士の永瀬拓矢王座と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・森内九段の講評

対局前の両者のコメントでは、羽生九段は「今回私が最年長だと思いますが、参加の枠に入るのも大変な棋戦ですので、出場できることをうれしく思います。「JTプロ公式戦」は持ち時間が短いので決断力が求められます。

勝負どころで腰を落として考えられるように思考にメリハリを付ける必要があります。山崎八段は意表の一手を指してきますので、それにうまく反応したい。結局中終盤の競り合いになると思いますが、いい将棋をお見せしたいですね」と意気込みを語った。

一方の山崎八段は「東北大会に決まったときは『よっしゃ!』と思いました。仙台に来るのは今回が初めてなので(笑)。『JTプロ公式戦』はファンの方の目の前で対局しますので、熱戦になったときは棋士として心地よい充実感を感じます。

羽生九段は本当の意味でトップ棋士で強敵ですが、ギリギリの戦いになるようにしたい。中終盤も集中を切らさないようにして、番狂わせを起こせればと思います」と抱負を語った。

振り駒は抽選で選ばれた来場者が行い、と金が3枚で山崎八段の先手と決まる。

相掛かりの序盤からお互い銀を取り合う珍しい展開となり、前例のない力戦調の手将棋に。後手が飛車をぐるりと転回して△8三飛としたあたりからやや後手ペースになり、徐々に差を広げた羽生九段が勝勢になるも、ドラマは最後に待っていた。

106手目4七香が自玉の詰みをウッカリした大失着。九死に一生を得た山﨑八段がスーパー大逆転勝利を飾った。

大盤解説の森内九段の講評は以下の通り。

相掛かりは予想どおりでしたが、序盤早々銀を取り合う展開で見たことがない戦いになりました。羽生九段の△8三飛がいい位置で、後手の模様が良くなったと思います。

先手は端を攻めますが、玉から遠いところですし、羽生九段がうまく対応しました。62手目△3三角~△1五角としたのが羽生九段らしい柔軟な発想で、8筋に飛車を成り込んで挟撃態勢を築きます。

後手の勝ちは動かないと思いましたが、山崎八段の勝負をあきらめない姿勢が最後の逆転を呼びました。羽生九段には悔やんでも悔やみきれない△4七香でした。将棋は怖いと改めて思いました。

勝利棋士・山崎八段のコメント

相掛かりは予定どおりでしたが、銀の取り合いは考えていたわけではありません。

△4六飛に▲3七金と立ってバランスは取れていたと思うのですが。▲9七角は後手の銀と刺し違えてもというつもりの手でしたから、△8六歩には▲同角としなければいけなかったのに、▲同歩と弱い手を指してしまいました。

途中大差がついて、肩をガックリと落としてもおかしくなかったのですが、こどもたちが見ていると思って指し続けました。

形を作る意味もあり、一応詰めろの▲1二とを指したんですが。羽生九段は詰ます順も見えていた上で△4七香だったと思います。こういうこともあるんですね。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

山崎九段
羽生九段
(持ち時間各10分間)

まで手で先手の勝ち

消費時間=10分10分