オフィスの事例

新宿三井ビルディング
東京都新宿区

新宿副都心の超高層ビル街の一角に建つ「新宿三井ビルディング」。
約9,000人が勤務する、このオフィス・ビルの地下1階/飲食店フロアに、新たな喫煙スペースが設けられました。

同ビルでは2階のロビー・フロアに、男女兼用と、女性専用の喫煙室を備えているほか、以前は、屋外にも喫煙所を設けていました。
しかし、近隣の環境および歩行者などへの配慮から、屋外の喫煙所を廃止し、2012年2月に、この喫煙室をオープンさせたのです。

フロアの奥のトイレ近辺に設置され、レスト・スペースと上手く集約される形となった喫煙スペースでは、レストラン店舗の利用者と、オフィス・ワーカーの方々が、それぞれのくつろぎのときをすごしています。

分煙Pointをチェック!!

“上質感”をキーワードにデザインされた喫煙スペース。 “窓のない空間における居心地の良さ”が追求された空間には、さまざまな工夫が施されています。

Point1 自然素材が持つ温かさや上質感を生かす!空間全体へ適用された部材へのこだわり

木や革、大理石など、内装の主要な部分には自然素材を採用。ハイ・スツールの前に据えられたカウンター・テーブルの天板には、ダークな深い色味の大理石が用いられているほか、ベンチの座面には竹の集成材を使用し、背もたれには本革が布団張りされています。

また、壁面には黒檀の一種であるタイガーエボニーの突き板を、床面にはマットな黒色の磁気質タイルを張るなどして、本物の素材が持つ温かさや上質感が空間全体を通して感じられるようになっています。

Point2 ライティングとアートウォールを巧みに用い限られた空間の魅力を最大限に引き出す!

人が心地良いと感じる適度な暗さや間接光のあかり、煙を目で追うときに感じる浮遊感などをポイントに構成された空間。

たばこを持つ方の手元を照らすため、光を直接当てるセンター・テーブルの天板には、光の反射を防ぐ保護オイルを塗り、一部の壁面には間接照明を配することで、空間の陰影が強調されています。

さらに、壁面の一部にはアートウォールを設置し、山の遥か彼方から立ち上るオーロラなど、たばこの煙とイメージが重なるモノクロの風景写真を配し、空間に奥行きを持たせています。

Point3 快適な喫煙環境を持続させる経年劣化を先読みしたメンテナンスへの配慮

喫煙スペースを設ける際に不可欠なメンテナンスにも十分に配慮。天板や壁面、床面に用いられている石やタイルは火に強く、ベンチに配された本革は、ビニル・レザーよりも焦げにくい特性を有しています。

また、喫煙スペースの要となる、長さ5.5mのセンター・テーブルの天板には、厚さ9cmの無垢の一枚板であるゼブラウッド材を使用。通常の焦げや汚れは“風合い”として演出でき、汚れがひどくなった際には、カンナを掛けてきれいにする対処法を念頭に置き、採用されました。